3箇月で紙の本10冊・経費ゼロで出版したぞ!

与方藤士朗

第1話 今どき、金をかけずに紙の本も出せるのか!

 2023年9月初旬。

 私は仰天するサイトに出会った。

 なんと、今時は、金をかけずに紙の本まで作って売れるという。

 そんなサイトを発見した。

 夢のような話どころの騒ぎではないよ。


 大体、金をかけずに紙の本を出すには、商業出版でそれも売れる見込みがよほどある場合でないと、そんなことは出来っこないだろう。

 よほどの売れっ子なら印税の前払いもあるかもしれないが、私のような超零細三文文士なんかにそんな契約のオファーが来るわけもない。

 でもまあ、私程度でも商業出版の話は来た。

 その代わり、それなりの条件は付きましたよ。実質金銭負担がある形で。

 もっともそれは、たいてい自分経由で売ったり図書館に寄贈したりで、赤字かもしれないけど、大いに機能しているから、これは助かっているのよ。


 他にも、企画出版というのもあります。

 これは、著者と出版社が費用を折半する方式。

 以前、本名名義でそれをしたことがあります。このときも買取がありましたが、その分は、1年程度であちこちに売ってしまいました。

 このときは確か、合計で86万円がかかっています。

 先ほどの理屈で言うなら、もし完全な自費出版なら170万円程度かかっているという話になるでしょう。実際、自費出版を扱っている出版社ではそのくらいかかるところも珍しくないと伺っています。

 なんと、うちに自費出版の営業をかけてきた会社もあるよ。

 残念ながら、仕事にはなっていないけど。


 そして、自費出版。

 これは、基本的に著者が自ら金をかけて出版するもの。出版社がつかないケースもあります。それでも、かつては活字にしなければいけませんでしたから、そういうところにも金がかかっていました。ある方の冊子を例に少し。内容面では、そういう問題ではないと言われてしまえばそれまで(それだけ社会的に意義のある出版物でした)のものでしたが、なんと、30年近く前で37万円ほどかかったそうです。

 ここで出版社なんかつこうものなら、もはや100万仕事。

 ええ加減にせえよ、って気持ちにもなるわな。

 実際、自費出版ではトラブルも少なからずあると聞きます。


・・・・・・・ ・・・・・ ・


 さてさて、そんなものかなと思っているところに、何と、マジで!

 金をかけずに、紙の本が出せるシステムが出来上がっているらしい。

 その出版社というか、会社のサイトをじっくりと読みました。

 確かに、できるらしい。ついでに、電子書籍も作れるそうな。

 自己資金一切無用、経費性の出費もほとんど発生しない。

 それなら、やらぬ手はなかろう。


 そこで早速、元市議会議員の大先輩の事務所に行って、そのマニュアルのコピーを取らせていただきました。300枚くらいになったっけ。

 でも、いろいろお手伝いしているから、それで、印刷代はゼロ。

 実は、いずれその先輩の会社の業務でやったらどうかという声もあるくらいですから、その先輩にとっても、悪い話じゃないってこと。


 とにもかくにも、紙媒体のマニュアルとネットの同じマニュアルをうまく見比べながら、どうやったらいいのかをじっくり、2週間ほど確認しました。


 どうやらこれならやれそうだな。

 じゃあ、どのくらいやれそうか、やっていけそうか。

 そういったことも、入念に検討しました。


 かくしてその月の終りには、早速、自己出版の本を作り始めていました。

 これが、わずか2カ月半後に10冊も出せてしまうとは、このときはまだ、夢にも思っていなかったことは言うまでもありません。

                    

                                (続く)

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