第5章「春の息吹」

 深い山をどんどん登って行ったり、谷を下って行ったりした後に、やがて、見たこともないような桃色の景色が、ぼんやりと彼方に見えてきた。

 普通の者には辿り着けないような場所に、花霞の里はあった。

 周りを囲んでいる、険しく大きな山々が、天霊山脈である。

 その、天霊山脈をずっとずっと越えた向こうに、魔物の棲む根の国があるという。

 天霊山に入ったあたりから、それまで青く晴れ渡っていた空は、白くて厚い雲に覆われ、霧が漂い、視界が悪くなっていった。

 空気はぴんと張り詰めたように、冷たく頬を冷やし、体の芯から頭の中までも冴え渡らせるようだった。

 そこは、神々の土地だった。正も邪もなく、ただただ、聖なるものが大きく横たわり、天霊山一帯を支配している。

 そのような強力な霊気の中を、三人は黙ってただ前を向いて進んで行った。フータだけは、物珍しそうにしてきょろきょろと辺りを見回していた。

「うわあーーーっ!」

 フータが突然大きな声を上げたので、皆びっくりして振り返った。

「きれいな色が広がってる!」

 エンマは、フータの指差す方向を見上げて、思わず目を見張った。

 そこには、今まで見たことのない不思議な色彩が、ふんわりと浮かんでいたのだ。

「すげえ…。」

 空の青と混ざって、桃色の花が天に咲いているように見える。

 近付いていくと、それは桜の木だった。桜の木が里一面覆い尽くすほどたくさん生えていて、それが遠くから見ると、桃色の霞のように見えるのだ。

「綺麗でしょう。桜の木よ。花霞の里は、一年中桜が咲いている所なの。」

 蓮花が誇らしげに言った。

 エンマとフータは、顔を見合わせて笑った。

 蘭丸は、興味がないといった風を装い、一人別の方向を向いていた。

 里は高い石壁によって囲まれ、守られていた。入り口には、大きな門がある。

 門の所まで来て、そのまま入って行こうとするエンマとフータを、蓮花が止めた。

「ちょっと待って。里の入り口には、結界が張ってあるの。」

「結界?」

「魔物を侵入させないための術よ。」

「俺が、魔物だってのか!」

「そうは言ってないけど、念の為よ。術は、魔物の気や血に反応するわ。だから、いくらこっちが、気持ち的に魔物じゃないって思っていても、無駄なのよ。でも大丈夫。私が一時的に術を解くから、そしたら安全に入れるわ。」

 蓮花は、目を閉じて結界術を解こうとした。

「待て、蓮花。」

 いつの間にか、里の入り口に一人の老人が立っていた。

「長老様!」

 蓮花は、慌てて頭を下げた。

(なんだ、このじじいは…。)

 エンマは、老人を訝しげに見た。老人は、頭に一本の毛もないのに、白い髭ばかりが長く伸びていて、体は小さく痩せていて、杖をついて立っていた。

 老人は、真っ黒で円らな瞳をエンマに向けていた。

「首を長くして待っておったぞ。エンマよ。わしがこの里の長老、芭蕉バショウだ。」

 小さな体なのに、やたらと張りのある大きな声だった。

「どいつもこいつも、人が名乗る前に、勝手に人の名を呼びやがって。」

 エンマは、芭蕉を睨み付けた。

「エンマ!失礼よ!」

「いや、そうだな。エンマの言う通りだ。わしの方こそ礼を欠いていたな。それはともかく、エンマ、結界を通って入って来なさい。お前が本当にわしらの仲間であれば、その結界はお前を拒絶しないだろう。」

 にこっと、芭蕉は笑った。しかし、蓮花は動揺していた。

「長老様!この結界に触れたら、魔物は消滅してしまいます!もし万が一のことがあれば…。」

「エンマが消滅すれば、それで全て終わりだろう。わしらの運命もな。」

「そんな…!」

「何のことだかさっぱり分からねえが、通るしかねえってことだろう!」

 エンマは、芭蕉を睨みつけながら、門を通って里の内側に入った。

「さんざん脅かしやがって。なんてことねえじゃねえか。」

 無事に里に入ったエンマを見て、蓮花はほっとしたような顔をした。

「うむ。合格だ。」

 芭蕉は手を叩いた。

「じじい!てめー、俺を試したのか!」

「わしは信じておったよ。エンマは、あのアヤメの子だ。その結界術を編み出したのは、何を隠そうあのアヤメであったのだからな。息子のお前に、通れぬはずがない。」

「あんたが里の長老ってことは、俺の知らないことを色々と知っているんだな。俺の母親のことや、くそ雷鬼のことや…。とにかく俺が今一番知りたいのは、レイジュツのことだ。俺はただ、じじいの仇を討つために、ここに来たんだからな。」

「分かっておる。始めからお前には、霊術の修行をさせるつもりでいた。」

「じゃあ、早速教えてもらおうか。」

「その前に、疲れているだろう。修行は明日からにしなさい。これからお前は、この里で暮らすのだからな。」

「そうか…。そういや、そうなるのか。修行のことしか頭になかったぜ。」

 空は、すっかり日が暮れて暗くなってきていた。

「蘭丸。何故お前が一緒にいるのだ?」

 芭蕉は、蘭丸を見て眉をひそめた。

「そ…それは…。見回りに行っていて、たまたま、偶然に、蓮花たちに会ったものですから。ここまで、一緒に来たというわけでして…。」

 蘭丸は、しどろもどろな口調で言った。

「ふむ…。丁度いい。さっき、お前の両親に頼んできた所なのだ。エンマを預かってもらいたいとな。」

「なっ!?」

 蘭丸は驚いたように目を丸くした。

「エンマ。お前は今日から、蘭丸の家族の一員として暮らしてもらう。心配はいらん。蘭丸の親は面倒見のいい、親切な者たちだからな。」

「…よろしく頼むぜ。」

 エンマは、蘭丸に向かってぎこちなく頭を下げた。

「な、なんで…。」

 蘭丸は、納得がいかないというように、顔をしかめた。

「ところで、その子は?」

 長老が、フータを見て言った。

「おいら、フータってんだ!エンマの兄貴の弟分だ!おいら、この里が気に入ったよ!」

 フータは元気よく言って、ぴょこんと頭を下げてみせた。

「長老様。フータは、名前以外何も覚えていないんです。」

 蓮花が説明した。

「そうか…。では、フータもエンマと一緒に預かってもらおう。その方がいいだろう?」

 芭蕉はフータの頭を撫でて言った。

「やったーーー!」

 嬉しそうにして、フータは飛び跳ねた。

「良かったなあ。フータ。」

 フータの姿を見て、警戒していたエンマの心も和んだようだった。

「…俺は良くないさ…。」

 ただ一人、蘭丸だけが不平を漏らしていた。

「なんで、俺の家にエンマが…!」

 芭蕉がいなくなると、蘭丸は不満をはっきりと口に出した。

「悪いな。迷惑かけて。」

 エンマはぶっきらぼうに言った。

「蘭丸のお父さんとお母さんて、すごく心の広い人たちじゃない。だから長老様も、お願いしたんだと思うわ。いいじゃない。賑やかで。」

「…それなら俺が家を出て、蓮花と暮らす、とか…。」

 蘭丸はちらりと蓮花を見て言った。

「バカ言わないで。」

 蓮花はつんと冷たく突き放した。

「蓮花は、一緒に暮らせないのか?」

 寂しそうな顔で、フータが言った。

「私は一人で暮らしているの。」

「ふうん。一人で、さみしくないのか?」

「ええ。もうずっと一人だから慣れたわ。それに、私は何でも一人で出来るし、フータが心配することなんて何もないのよ。」

 蓮花は明るく笑って言った。

「蓮花には、親とかいねえのか?」

「ええ。私が小さい頃、魔物に殺されてしまったのよ。」

 エンマの問いにも、蓮花はさらりと平然として答えた。

「そうだったのか…。」

「蓮花はな、それからずっと一人で頑張ってきたんだ。俺はその姿を、一番近くで見てきた。だから、俺は誰よりも蓮花のことをよく知っているんだ。」

「もうやめてよ。」

 得意げになっている蘭丸を、蓮花が遮るようにして言った。

 しばらく歩いていくと、道が二つに分かれていて、その片方の坂道の上にぽつんと一軒家が立っていた。

「じゃあ、私はここだから。エンマ、修行したくなったら言ってね。お休みなさい。」

 蓮花は笑って家の中へ入っていった。

「ここに一人で住んでるのか…。」

 エンマは呟いた。

「エンマ。妙なことを考えているんじゃないだろうな。蓮花に変なマネをしたら、俺が許さないからな。」

「お前、蓮花のことになると、やたらうるせえんだな。ホレてんのか?」

「なっ…!」

 蘭丸は真っ赤になった。

「ま、俺にはどうでもいいことだけどな。」

 蓮花の家から反対方向の道へ進んで行くと、一分とかからずに蘭丸の家へ辿り着いた。

「あら、蘭丸。エンマを連れて来たのね。待ってたわよ。」

 家の前に、すらっとした、色の白い美しい女性が立っていた。

「あたしは蘭丸の母親の、みぞれというのよ。さあ、早く入って。ご飯も出来てるから。あらっ、その子は?」

 フータは、エンマの陰に隠れるようにしていたが、声を掛けられると、にこっと笑って出てきて、ぴょこんと頭を下げた。

「おいら、フータ!エンマの兄貴の弟分だ!」

「…ここへ来る途中、魔物に襲われてたのを助けたんだ。記憶を失くしたみたいでさ。長老様から、こいつも預かってくれって言われて…。」

 蘭丸はどこか不機嫌そうにして言った。

「そうなの。じゃあ、フータも一緒に暮らしましょうね。うふふ。」

 みぞれは嬉しそうにしてフータの頭を撫でた。

「わーい!」

「やれやれ…。」

 蘭丸はため息をついていた。

 家の中に入った途端、エンマはぎょっとして立ち止まった。

 天井の高い部屋に、体の大きな逞しい男が一人座っていた。毛皮の衣服を着ていて、盛り上がった肩から露わになった腕は太くがっちりとしており、立ち上がれば、天井に頭がぶつかりそうなほど大きな男だったのだ。

「おう、蘭丸。そいつがエンマか。で、そっちの子供は?」

「フータ。」

 蘭丸が答えた。

「そうか。一気に二人も子供が出来ちまったな。がははは!」

 男は豪快に笑った。

「俺は蘭丸の親父の、氷助ひょうすけってもんだ。よろしくな。エンマにフータ。」

「さあさあ、あんたたちが帰ってくると思って、いっぱい作っておいたのよ。エンマもフータも、遠慮しないでどんどん食べなさいね。」

 みぞれが飯を運んできた。

 魚や獣肉や、野菜や木の実といった、この辺で採れる様々の食物を使った料理が大量に並べられた。それらを、エンマは遠慮するどころか、もくもくと物も言わずにどんどん食べていた。

「いやあ、長老様から聞いたときはびっくりしたな。まさかあのアヤメの子供が生きていたとはなあ。」

 氷助は、酒を飲みながら、機嫌が良さそうにして言った。

「そうよねえ。こうして見ると、どことなくアヤメの面影が見えるわ。懐かしいわね…。」

 みぞれは、エンマを見て目を細めた。

「俺は、アヤメも雷鬼も親だと思えねえ。俺にとっての本当の親は、じじいだけだ。そのじじいを殺した雷鬼を、俺は絶対に許さねえ。」

 エンマは強い調子でそう言うと、がつがつと飯をかきこんだ。

「まあ、そうだろうな。生みの親より育ての親の方が大切だ。エンマ、これからは俺たちがお前の親になってやるから、安心しろ。」

 にかっと大きく口を開けて、氷助は笑った。

「そうよ。これからはここがエンマの家なんだから、好きにしていいのよ。」

 みぞれは、優しい微笑みを浮かべた。

 親切そうな二人だったが、エンマは簡単に心を許せず、二人の方に視線を合わせようとしなかった。

「あらっ、フータ、どうしたの?一口も食べていないじゃないの。」

 みぞれがフータの様子に気付いて言った。

「おいら、いらねえ。」

「おなかがすいていないの?」

「うーん…。よく分かんねえけど、おいら、何にもほしくねえ。」

 フータは、首を傾げて言った。

「何でも食べないと、大きくなれんぞ。」

 氷助が太い腕を組んで言った。

「だって、おいら、いらねえんだもん。」

「フータ。何わがまま言ってんだ?」

「違うんだよ、兄貴。本当に、おいらいらねえんだ。なんだかもう、おいら、サクラを見たら腹がいっぱいになっちまって…。」

「ふふ、エンマだけでなく、こんなに小さなかわいらしい子まで家族になるなんて、嬉しいわねえ。蘭丸もそうだったわ。初めてこの里に来たとき、桜にびっくりしてたのよ。」

「ん?この里で生まれたんじゃねえのか?」

 エンマは不思議に思って、思わず聞いた。

「あたしたちはねえ、ずっと北の方の、雪煙ゆきけむりの里って所から、こっちに移り住んで来たのよ。蘭丸が五歳のときだったわ。あの頃が、一番かわいかったわ。」

 みぞれは頬に手を当てて、懐かしそうにして言った。

「ふん。」

 蘭丸は不機嫌そうに横を向いた。

「雪煙の里?」

 またエンマが聞いた。

「ここと同じような隠れ里だ。雪煙の里は、この花霞の里と違って、霊術よりも、動物使いの方が盛んでな。蘭丸が連れてただろう。鈴蘭を。鈴蘭も電光丸も、蘭丸が小さいときから懐いててな。こいつには、動物使いの才能がずば抜けていたんだ。だからここへは、霊術の修行のために来たってわけなんだよ。」

 氷助が説明した。

「この里の他にも、魔物と戦う力を持つ奴の住んでいる里があるってことか…。」

「ああ、その通りだ。」

「なあっ、そこにもサクラが咲いてんのか?」

 身を乗り出して、フータが尋ねた。

「雪煙の里は、年中冬みたいな所なの。この里のように暖かい所ではないから、桜は咲いていないのよ。だけどその代わり、白くて冷たい雪が降り積もってて、寒いけれど綺麗な所なのよ。」

「へーえ!ユキ…かあ。どんななのかなあ。おいら見てみたいな。」

 フータは、目を輝かせて言った。

「ふふっ、本当にかわいいわね。フータったら…。」

 無邪気なフータの様子に、皆自然と笑みがこぼれ、心が和んでいくのだった。

 しかしその中で、蘭丸は一人、黙り込んで座っていた。

 その夜、いつもは蘭丸一人で寝ていた部屋に、エンマとフータの布団が敷かれて、フータを真ん中にして、三人並んで寝ることになった。

 エンマもフータも、疲れていたのか、すぐに寝息を立て始めたが、蘭丸は一人眠れずに、苛立つ気持ちを抱えたまま、壁に向かって横になっていた。


 翌朝、早くに目が覚めたエンマは、すっきりとした気持ちで布団から出た。

 フータと蘭丸は、まだぐっすりと眠っている。

「あらっ、早いわねえ。エンマ。まだ寝てていいのに。」

 みぞれは、台所で飯の支度をしていた。かまどから湯気が立ち上り、いい匂いがしていた。

 外へ出ると、庭先で氷助が薪を割っていた。

「おう、エンマ。お前は早起きだなあ。昨日は眠れたか?」

「ええと…。」

 戸惑ったようにして、エンマは氷助を見た。

「なんだ、俺の名前は氷助だ。もう忘れたのか?ハハハッ。」

「氷助…さん。俺も手伝うよ。」

 エンマは照れくさそうにして言った。

「お前に出来るのか?気ぃ使って無理するこたあないぞ。」

「そんなんじゃねえ。何かしてねえと、落ち着かなくて。」

「そうか?じゃあ、頼むぜ。」

 氷助は斧をエンマに手渡した。

 手際よく次々と薪を割っていくエンマを見て、氷助は、感心したように、

「おお、うめえじゃねえか。」

と言った。

「じじいの木こり仕事は、よく手伝わされてたから。」

「そうか。蘭丸なんか、刀は使えるくせに、薪の一つも割れねえんだぜ。」

「俺も、剣術をじじいから教わった。」

「そうかあ…。お前のじいさんは、強かったのか?」

「ああ。一度も勝てなかった。だから俺は、じじいに勝つのが夢だったんだ。」

「そんなにお前のじいさんは強かったのか。でもな、蘭丸もああ見えて、刀は相当なものだぜ。一度戦ってみたらどうだ?」

「ああ。蘭丸の技は目の前で見た。強そうだと思ったから、俺は嬉しくて…。あっ、今のは蘭丸には言うなよ。まだあいつと戦ってねえし。」

 エンマは苦笑いして言った。

「そういや、俺、どっかで木刀を失くしちまって。なんか、あれがねえと落ち着かねえんだ。氷助さん、なんか木刀になるような木はねえか。自分で作りてえんだ。」

「おう、あるぜ。」

 氷助は庭の小屋から、手頃な木材を出してきて、エンマに渡した。それをもらうと、エンマは縁側に腰を下ろして、小刀で木材を削り始めた。

「あっ、おじさん。それにエンマも。おはよう。」

 そこへ蓮花がやって来た。

「おう、蓮花。こんな早くから、どうした?」

 氷助が蓮花の声に振り返ったが、エンマは顔も上げず黙々と木を削っている。

「私も何か手伝おうと思って。エンマとフータが来て、大変でしょう。」

「エンマは薪割りを手伝ってくれたんだ。いやー、助かったなあ。」

「へえ。エンマも気が利くのね。その様子だと、心配なさそうね。」

 蓮花は家の中へ入ると、早速みぞれの手伝いを始めた。

「おばさん、蘭丸はエンマに、何か言ってなかった?」

 蓮花は、蘭丸とエンマが喧嘩していないかと、心配していた。

「何も言ってはいないけど、蘭丸ったら、昨日はずっと仏頂面してたわ。」

 そう言いながらも、みぞれは楽しげに微笑んでいた。

「れ…蓮花。おはよう。今日こんな早くに、どうしたんだ?」

 そこへ、蓮花の声を聞きつけて、慌てて起きてきた蘭丸が声を掛けた。

「心配してたのよ。蘭丸が、エンマにひどいこと言ってないかって。」

 蓮花はつんとした顔で言った。

「そんなこと言うわけないだろ。」

「エンマはもう随分早く起きて、おじさんの手伝いをしてたみたいよ。」

「くっ…。」

 蘭丸は悔しそうな顔をして、表へ飛び出して行くと、エンマに向かって大声で言った。

「エンマ!今日、俺と勝負しろ!お前の剣の腕前ってのを確かめてやる!」

「ああ。俺もそのつもりだった。」

 エンマは、木を削っていた手を一瞬止めて、下を向いたまま、ちらりと目だけ動かして蘭丸を見た。緑色の、鋭く射るような視線が蘭丸を捉えた。蘭丸も、負けじと睨み返す。

 二人の間に、火花が散ったようだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る