第23話 〜転校準備〜 イジメっ子たちの目線

「くそっ...先生が殺られただと?!」


先生が殺られてから2日後。情報は今さっき届いたところだった。しかも、倒せると思っていたが見破られ返り討ちにされたらしい。おまけに彼らは逃げれている。


「...どうする?こんなの予定にはないけど。」


「白雪...冷静を装っても目が泳いでるぞ?戸惑っているんだろうがまだ人望はある。」


白雪 天音しらゆきあまね。このクラスで一番の戦略家だが予想になかったような事が起こっていて冷静を装っていても慌てているのは一目瞭然。それにしても...

あんなに桁違いな力を持つ裕介は一体何があったのだろうか。そんな事を考えていると鴨志田からこんな提案が降りた。


「その学校...すりゃあいんじゃない?」


「「はぁ!?」」


そう、学校に襲撃する案だった。でも、浦安の学校は警備体制が抜群にやばい。しかも、一度学校に入ろうとした連続殺人犯が返り討ちに遭ったほど。それだけ警備が厳しい場所に襲撃など予想もしなかった。でも、それしかないことは分かっている。


「ねぇ....私の能力なんだったか忘れてない?」


「...白雪の能力は《隠密》だろ...っは!?」


「私が行く。」


「おい...お前が居なくなったらどうすんだ!?」


それもそうだった。戦略家である彼女が消えてしまえば俺らは大ダメージを負う。

しかも、白雪は...『弱い』。


「いいから...私に行かせてよ!」


「お前が行ったら俺らは終わりなんだぞ!?戦略を練れないんだぞ!?分かってるのか...!?」


必死に止めるものの白雪には届いていない様子。横に居る鴨志田も「やめてあげろ。」と訴えかけている目をしていた。そうして俺は決意を固める。


「...分かった、お前が行って来い。ただし、戦うのではなく〈偵察〉として行くことが条件だ。分かったな?」


「えぇ...分かったわ。攻撃されたら攻撃はするわよ?」


「あぁ...自己防衛だもんな。そこらへんは許す。覚悟して行ってこいよ。」


「それぐらい分かってるわよ。彼の力は未知数...気をつける。」


そうして、白雪は透明になり...部屋から出ていった。

ガチャン...

                  第23話 END.

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