第八話 〜安息の地への入場〜

「...なにっ!?帰ってきただとっ!?」


その一言で自分はすぐ理解した。そう、怪物だと思われていたあの熊に無傷で、しかも六体もぶっ飛ばしてきたのだから。これは門番さんもびっくりの様子で。


「門番さーん言われた通りぶっ飛ばしてきましたよ〜」


あ、これ気づいてないやつだ。僕に関しては耳が良すぎる、と一時期有名になったがクラス内でのお話。そりゃ二人は知らないよな...でも、これによって安息の地へ入れるということは確信していた。


「よ、よくぞ帰ったな!お前たち。か、かか帰ってくると思っていたぞ!」


おっと。すんごい慌てている様子だな。下手したら死んでいたのになぜか、ランクFの冒険者達が生きてるんだもん。そりゃ焦るよな、こりゃ。でも、これにて入ることは決定事項。うれしいですな。


「それでは...ようこそいらっしゃいました!最初の街【アルシードの街】へ!」


完全に敬語になっていることを完全無視して街の中に入っていく。そこには...


ワイワイ...ガヤガヤ...


最初の街とは思えないような賑やかさで、この街は繁盛していた。自分でも本当に最初の街かと目を疑うかのように。


「さて...ご飯が食べたいね。」


「確かに...お腹が空いてしょうがない。ご飯ほぼ食べてなかったからね。」


あ、完全に忘れていました。その自分の抜け目を後悔しながらも周りを見渡しどこが良いかを探る。その瞬間全員が同じところを指差し、声を合わせて言った。


「「「絶対にあそこが良い!」」」


と。初めてだよ。全員がおんなじものを食べたくなる瞬間。現実世界にいた時そんな事なかったよ...でも、あそこがうまそうなのは確か。早速行くことにする前に...


「その前に...お金ないから、ギルド直営店の解体屋に行かないと...」


はい、お金がございません。なので、解体屋に行くことにします。


【ギルド直営解体屋】〈アンバーの解体屋〉

カランコロン...


「お、お客さんかい?いらっしゃい!ギルド直営の解体屋だよぉ」


入った瞬間に迎えてくれるお店の人はガタイがよく、元気で冷凍食品の試食品売り場にいそうな声で迎えてくれた。


「あ、こんにちは。解体と、売却をしに来ました」


「はいよ!」と一言残し、奥からどでかいナイフを持ってきた。本当に怖い。まじで怖い。威厳がすごいです。


「どれを解体するんだい?なんでも良いよ!」


「えーと...これとこれとこれと....」

ドサッドサッドサッ...


お店の人、完全に困惑してる。まず、こんなにお願いされたことがないだろうしな...

そして、出し終わったと同時に解体を始めた。すごいな、この人の理解力。普通の人なら少し戸惑ったりするんだろうけど。


「いやぁ~久しぶりだよ!こんなに大量の解体作業をするなんてね!外でちょっと待ってな!数分で終わるから!」


「「「えっ...数分!?」」」


その驚きを隠せずそのまま外へ出る。だってあんな量あるのに数分だよっ!?数分...やべぇな、やっぱ異世界は。特にギルド直営の店は。そして、数分もたたないうちに終わったと教えられた。早すぎる。


「とりあえず...値段は銀貨が15枚、銅貨が28枚、金貨が5枚だね!」


あれ?傷ついているはずがこんなにもらえるのか?どうしてなんだろうか...不思議だ。


「あら、不思議って顔してるねぇ...どうしてこんなに高いか教えてあげようか?」


その一言に僕は食いつきながら、一言


「はいっ!教えてください!」


と言った。


〜数分後〜


「と、言うことなんだよねぇ。」


なるほどな。任務などで倒したものは少々売却値段が上がるし、今回倒したものには強化モンスターも入っていたとか。運が味方したな。そして、感謝の言葉を残しこの店を出て、すぐさまに行きたかったごはん屋さんに三人で走っていった。

                            第8話 完。

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皆様こんにちは、ナイまるでございます。皆様のお陰で異世界ファンタジーランキング1400位まで上り詰めることができました!本当にありがとうございます!これからも、小説を書き続けますのでよろしくお願いします。あ、新作もご覧ください!では。

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