第4話 反乱

 人類は平等では無かったのか?過去も永遠に争いは無くならなかった。少なくともこれほど発展したにもかかわらず…


 増えすぎる人口は地球には収まらない。さらに温暖化で大陸が減って、月や火星も高額の通貨を支払った富裕層だけが不自由なく暮らしている。


【惑星間治安部隊、火星へ急行せよ!!】


 治安部隊の待機場所は地球だ。危険な任務のため、志願者は少ない。だが優先的に地球に住める。


 そこそこの通貨はもらえるが、とても割に合う職種ではなく、このような時は出撃しても何の保証もされず、それこそ最後の出撃になることもある。


 今回の反乱はかなりの規模のようだ。火星での、しかも居住エリアで起きたため、かなりの人々が避難し始めてるという。


 反乱の声明文だ。地球、月にも同時に放送されている。


【何故、富裕層だけが火星に住めるのか?人類は平等では無かったのか?我々のようなものは住むところすら保証されないのか?…ならば我々は火星の全てを破壊することも考えなくてはならない!!】


 既に大半の居住エリアは占拠され、反乱軍に加わる人々が次々と…これが人類の答えだ。


【現着!!攻撃命令を!】


 惑星間治安部隊と反乱軍の戦いが始まった。戦火から逃れるため、地球の〘海上都市ユグドテラス〙への避難が始まった。


 地球への直行便は既に満席。富裕層の中でも特に最富裕層の人々がシートを確保している。場合によっては荷物置きのシートまで。


【あの、お客様、事態が事態なため、膝の上に荷物を置いていただけませんか?少しでも多くの人々を…お願いします】


【あんたねー、こららは高額な費用払ってんだよ。どう使おうと勝手だろ!!それよりも早くドリンクサービスを開始しろ!!】


【…解りました。混乱しているので、もう暫くお待ちいただきたく…】


【こちらも少しは待つが、早くな!!】


呆れる…自分のことしか考えていない。


 既に地球からの直行便は運行停止。火星から脱出する地球行き、月行きの便のみとなっている。


 火星駐留の治安部隊もいるのだが…大半は仕方なく所属している人々のため…こうなると機能しない。ほぼ壊滅状態だ。


【月への便はまだ少し余裕があります。急いでください。補助が必要な方はお声がけください】


 あの人は、地球からの便で…火星の治安部隊のメンバーだったのか。能力使えても、反乱軍相手では勝ち目はないだろうな。


 


 

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