第48話

やがてラーメンがきた。相変わらす美味しそうな匂いだ。店員さんがラーメンを二つ置いて、厨房に向かっていた。ラーメンを見て、日向は驚いていた。


「牡蠣が入っているよ。最初は高いと思ったけど、これなら納得だね」


そうここのラーメンは高給食材を使っているのだ。そして何よりもスープが美味しい。いろんな味がしてな。俺達はいただきますと言って食べ始めた。


まずスープを一口レンゲで飲む。鴨、豚、煮干しを使ったスープは濃厚で美味しい。旨味をよく感じるスープだ。よくこんなに出汁を使って変な味にならないよな。ここのラーメン屋の店主は優秀なんだろうな。そして麺を啜ると、もっちりとした食感を感じる。スープによく絡んで美味しい。これこそ高級ラーメンといった感じだ。


暇なたの夢中になって食べている。俺はここに来て良かったと思いながらスープを味わいながら、麺を啜り、食べ終わった。もちろんスープは全部飲んだよ。美味しいからな。少し経つと日向も食べ終わったらしく幸せそうな顔をしていた。そんな顔が見れて良かったよ。


「美味しかったよー。値段よりも美味しかったよ。高いラーメンだけど高級なラーメンだと思えば安いものだね」


「こんな値段でもお昼は人が並ぶくらい人気店だからな。味さえ良ければ値段は気にしないってことだな」


少し雑談をして、俺達はラーメン屋をでることにした。ラーメン好きにとっては暗黙の了解みたいなものだ。ラーメン屋は回転率を重視するから混んでないとはいえカフェみたいに長居することはだめなのだ。俺は二人分の会計をして店をでた。


「ありがとねおごってもらって」


「あのくらいならたいした出費ではないからな。それに結構小説でお金使っただろうし。これからブランドものも買うとなるとお金がないのは困るだろう」


まぁそんなに頻繁に日向はブランド品は買わないが、夏物がそろそろでる時期だから新しい洋服とかを買ったりするだろう。だから払える範囲のものは俺が払う。


「そろそろ夏物買おうとしてたから助かったよ」


そんなことを話ながら俺達はゲーセンに向かっている。ここで久々にプリクラを撮る予定だからだ。日向が和希をおって部活に入部してから、勘違いをしてほしくないと思って俺からここは避けていたからな。ばれると間違いなく面倒になるからな。そもそも休みがなかなか被らがなかったってのもあるが。


「ゲーセンでほしいものあるか?」


「クマさんのぬいぐるみかな」


そんなに大きくないだろうから、取るのに苦労はしなさそうだ。日向のことだから可愛いめのやつがほしいだろう。でかすぎず可愛いめのぬいぐるみだと秋葉のセガだな。あそこならアイドルグッツもユーホーキャッチャーであるしちょうどいいな。ねるとるんのキーホルダーでも取ろうか。


「それじゃ今からセガのゲーセンに行くぞ」


「うん、可愛いとくまさんのぬいぐるみがあるといいなぁー」


それなら問題ないだろう。あそこは多種多様なぬいぐるみかあるからな。そもそも主力がユーホキャッチャーだしな。それに何階もあるし。それ以外にもいろんな楽しいゲームがあり一日時間を潰せるぐらいだ。秋葉のユーホキャッチーにしかないグッツも置いてある。


「一豊くんってユーホーキャッチャー得意だよね?」


「そうだな。難易度か相当高くない限り大体のものは取れるな」


元々一人で集中してやるものが得意だし。ユーホーキャッチャーをやっているときは集中力が増すしな。日向はそんなに得意じゃないから俺に取ってほしいんだろうな。まぁ言われなくても取るつもりだったから特に問題ないが。それに好感度が上がるならいくらでも取る。


「それならくまさん取ってもらおうかなー」


「そのくらいならお安いご用だ」


そんなことを話しているとゲーセンに着いた。俺達は中に入る。ここはユーホーキャッチャーのゾーンだからそこまでうるさくない。ゲームかあるところはうるさいが。上の階がゲームになっているのでそこはうるさい。そしてナンパに遭遇する率も高い。だからできるだけ上に行かないようにする。


「くまさんあるかなぁー。あ、あったよ」


そのくまさんは中くらいのサイズだった。これなら四百円ぐらいで取れるな。俺は100円玉を入れた。そして深呼吸して集中力を増しさせた。それでまずはぬいぐるみを出口の近くまで寄せた。そして一番近いところまできたら垂直にアームを降ろす。そして掴み出口に落とした。


「はいよ日向」


俺は出口からくまさんを取ると日向に手渡した。すると日向は大切そうにそれを持ってゲーセンの中にある袋を取ってしまった。後は櫻坂のグッツを取りに行くか。


俺達は角の方にある坂道アイドルコーナーを目指した。そこに着くとキーホルダーが大量にあった。これなら数百円で結構取れそうだな。クッションもあるからあれも取るか。


俺は集中した。そして100円玉を入れて、開始した。取れるだけ取ってやる。俺はキーホルダーの取れやすいところから狙いをつけて取りに行った。まずは近くにあるねるとるんのキーホルダーから探さないとだからな。

















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