第5話

あれから一限丸々寝て、スッキリした頭で授業を受けて、あっという間に4限まで授業を聞き終えて、昼休みになった。いやー寝たあとに授業を受けると集中できるよな。数学の授業は文系だからか、寝てる人が多いから注意をされない。早稲田や慶応に受かりさえすれば実績になるから文句は言わないんだろう。寝てるやてほど文系に振りきってるからな。真面目に受けてるやつは国立志望か真面目なやつくらいだろう。


「一豊くんお昼食べに行こう~」


いつも通り日向が教室に来た。そしていつも通り嫉妬の視線を受ける。幼馴染みずるいみたいな視線がな。まぁたまたま家が近くてそれが美少女だったというだけだが。好きな人は別のやつだし。これが主人公だったら俺に惚れているんだろうが。俺はせいぜい脇役だからな。和希から見たらモブみたいなものだ。


「ああ、いいぞ」


冬優花達は友達と食べるしな。それに数少ない二人でいれる時間を楽しみたい。日向は人気者でこいうときぐらいしか二人でいれることは少ないからな。俺も日向も部活をやっているっていうのもある。しかもどっちも運動部だしな。放課後も和希と帰ってるぽいし。


「あ、今日はお弁当作ってきたから中庭で食べよう」


するとクラスメイトが騒めきだす。まぁあんだけ完璧なのにお弁当じゃなくて学食ばっかだから料理が作れないんじゃないかと噂になっていたからな。単純に学食が美味しいのと、めんどくさいだけなんだよな。多分作ってくるのも今日作ってきて、また作らない日が続くだろうし。


「くっまさか料理できたんなんて。でも味は一豊くんの子のみじゃない可能性がある」


「ふっ利奈ちゃん甘いね~。幼馴染みである私が一豊くんの好みを把握できていないはずないでしょ~」


たまに料理をうちで振る舞って感想聞かれたりするからな。胃を掴まれているまである。やっぱ持つべきものは幼馴染みだね!まぁ俺は幼馴染み止まりだけど。


「くっまさか定期的に振る舞っているなんて。私なんてまだ一回も食べてもらったことないのに。料理が苦手だから仕方ないけど」


そう唇を噛み締めていた。料理の特訓なら付き合うぞ。日向は元々料理ができてるから育てた実感はないが、苦手なら自分も役に立ったと思えるからな。


「それじゃ行こっか~」


「ああ、そうだな。利奈の料理も今度持ってきてくれ食べたいからな」


「うん!ありがとう。美味しくできるように頑張る」


日向は少し不満そうだか、自分の方が美味しいという自信を持っているのか、なにか言ってくることはなかった。まぁ実際そうなんだろうけど。好きなのもあるが子のみも把握してるしな。料理苦手な利奈と比べるのが利奈がかわいそうなレベルだ。


俺達は中庭に移動する。普段日向がくることないから、他の生徒はこっちをチラチラ見ている。さすが人気があるだけはあるな。俺達は空いてる木の下に座ると、日向はレジャーシートを広げた。


「この上に座って食べよ~」


「いいぞ、お弁当は高校に入ってから初だから楽しみだ」


「ふふ中学のときに比べてさらにバージョンアップしたお弁当をご覧あれ~」


そう言って日向はお弁当を広げた。おお!健康的な料理が並んでいるな。どれも美味しそうだ。これにマッカンはさすがに日向に失礼か。今日はお茶にするか。


「いただきます」


これはハンバークか、口にいれると肉汁が広がる。そしてデミグラスソースの味がする。これ相当早起きしただろ。かなり時間をかけたのが分かる。まさかここまで気合いいれてるとはな。また腕を上げたな。このレベルなら店をだせるレベルだ。


「どうかな~?」


「美味しすぎるわ。また腕を上げたな。今までのハンバーグで一番美味しい」


すると日向は優しげな笑みを浮かべた。なにそれ天使すぎるわ。


「早起きしてよかったよ。他のも食べてみて」


俺はウインナーを箸で掴み食べる。油が広がって美味しい。他の物も食べて総合的にレベルが上がったと感じた。店でも開いたら繁盛間違いなしだ。それぐらいのレベルだ。


「ご馳走さま。どれも美味しかったぞ。はぁー毎日食べれるようになる和希が羨ましいわ」


まだ付き合ってはいないが、和希も日向のことが好きっぽいし、付き合うだろうな。ほんと羨ましい。もっと早く告白してれば変わっただろうか。


「和希くんも気に入ってくれるかな~?」


「気に入らなかったら俺が説教するわ」


そのくらい美味しいってことだ。見た目も相まってテレビに出れてそのままタレントカリスマ社長になれるだろうな。


「そこまで好きなんだ。嬉しいなぁ~。それで最近冬優花ちゃんと距離近い気がするけどなんで?」


なんか急に周囲が寒くなったわ。霊気で気温が変わっている。濃い霊気だな。周囲に干渉を起こせるほどなのはさすが土御門家の分家筋なだけはある。俺でもここまで濃いのはだせない。


「落ち着け、別になんとも思ってないからな。嫉妬をしなくても心配は入らないぞ」


そう言って俺は日向の頭を撫でた。すると周囲の霊気が収まった。













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