夜更け (詩集)

水上絢斗

第1話 線香花火

 つけてみようか線香花火

 湿っぽくて、ウジウジして

 なかなか火はつかない


 口では派手な事、ぶち上げたって

 火すら付かぬ、この気持ち

 いくら乾かしたって、中身変えてみたって

 それでも、なかなか火はつかない


 何度も火にかざしてみたけれど

 それとも、つけること事態、諦めようか


 そんなんじゃ、いつまでたっても火はつかない

 冷めただ、湿っただじゃあ

 何が出来る

 

 泣こうか、わめこうか

 人様から借りようか

 それとも寝て待っていようか


 違うだろ

 お前の火は、どこ行った

 ないなら、一緒に探しに行こうか

 そんな話に乗ったら

 足元すくわれる

 取るか、取られるかじゃなくて


 小さな火を灯せ

 そこから目を離すな


 線香花火、どこ行った

 付けたい時に、とこ行った


 その時、準備はできてるか


 つけてみようか、線香花火


 怖気おじけづくのは、もうやめよう

 つける、つけないを繰り返し

 言い訳を乗り越え、辿たどりつけた先に


 真っ暗だった目の前を


 散らしていこうぜ


 線香花火





































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