弓道部員に伝えたい弓道。

1,弓道部に入部しました。じゃあ初心者のやることはね!

 弓道部に入部しました!

 よっしゃあああ!

 

 では。新入部員として何を目指し、何を学ぶべきか。入部した部活の意向とはまったく別に、これを学びましょうと私が好き勝手に綴るので、興味がある方はお読みになってみてください。

 ただ、これを読んだから、これをやりたい!

 と言って、その通りになるかどうかは別の話ですよ?


 では。

『このエッセイで綴るのは、28メートル先で的を射抜くために、必要な知識と技術を身につける。そのために必要なこと』

 を、テーマにします。

 ちなみに、専門用語はあまり登場させません。

 未経験でもイメージ出来る弓道を追求します。

 

 問→初心者が覚える事はありますか?

 解→いっぱいあります。


 まずは、箇条書きでポイントを記します。


①、怪我を防止するためのルールを覚える。

②、弓を引くための、基本的な動作を覚える。

③、お手本をみつける。


 はい。ここでは細かい用語やらなんやらはカットします。「えぇ!?」でも大丈夫です。

 まずは①からいきましょう。


①、怪我を防止するためのルールを覚える。

 まずこれが1番大事です。弓道とは矢を射る部活なので、理解してないと怪我します。

 で、どういった練習環境かは分かりませんから、ここでは練習場所を5つに分解します。


1、弓を持って矢を放つとこ。

2、矢が飛んでいく途中の部分、だいたい芝生。

3、的があるとこ、だいたい土が盛られてる。

4、1と3を行き来するのに通る道。

5、藁の塊が置いてあるとこ。


◯練習中に入っちゃ駄目。2番。

◯合図があるまで入っちゃ駄目。3番。

◯藁の塊に矢を射る人がいたら、避ける。5番。


 これさえ守れば大丈夫。細かい違いや稽古のやり方は学校によって違うので、そこは聞いてくださいね。

 つまり、矢が飛ぶらへんは細かいルールを理解するまで、安易に通らないこと。です。

 これはまあ説明があると思いますけどね。


②、弓を引くための、基本的な動作を覚える。

 おそらくこの部分が気になるところでしょう。

 弓の引き方は大きく2パターンありますが、ここでは共通事項の部分にしか触れません。

 さて、ここで専門用語の登場。


射法八節しゃほうはっせつ


 これは、弓を引く動作を8つに分解し、なんかカッコよく言ってるだけ、と考えてください。正式な用語は教えてもらってくださいね。


 ほい。分かりにくいので、用語を砕いて分解します。

 まずは専門用語抜きで、動いてみます。

 

〝ここからはイメージしてください〟


 自分はジャージ姿です。

 左手に身長より長い弓を持っています。

 右手は素手です、矢を持っていません。


 自分は真っ直ぐに立ってます。

 正面に丸い的があります。

 的まで28メートルとします。

 時計回りに90度回転します。

 両足を開きます。

 顔だけを90度左に向けます。

 つま先を結んだ延長線に的の中心があります。

 顔を正面に戻します。

 背筋を伸ばします。

 ジャンプします。

 ドスっと着地します。

 そのままの姿勢です。

 顔を90度左に向けます。

 つま先を結んだ延長線に的の中心があります。

 両手は横に広げて、真っ直ぐ伸ばします。

 左手はグー。右手はパーにします。

 両手首は動かしません。

 左手は動かしません。

 右肘から先だけをしっかり曲げます。

 右親指を口元の高さでとめます。

 顔だけを動かし、右手を見ます。

 親指は水平、爪のある面を背中側に向けます。

 そのまま、小指と薬指を握ります。

 人差し指と中指をくっつけ、親指にのせます。

 親指の爪は、背中側に向けます。

 顔のみを動かし、的を見ます。

 左手の弓は、鉛直に立てます。


 ほい。これが弓を引く、基礎的なイメージです。

「なんのこっちゃ?」

 そうでしょう。イメージなので個人差もあるでしょう。

 この動作の目的は、右頰に矢を添えたイメージを掴むこと。なんです。

 さらに、このイメージの中にある動作で、ポイント部分だけピックアップします。


1、ドスっと着地します。(安定した重心)

2、つま先を結んだ延長線に的の中心があります。(正しい狙い)

3、両手首は動かしません。(手首を曲げない)

4、親指は水平、爪のある面を背中側に向けます。(右手の向き)

5、左手の弓は、延長に立てます。(左手の向き)


 と、なるんです。これはあくまでイメージです。

 つまり、『最終的に自分がどんな形で弓を引くのか』これをイメージしながら稽古する。このポイントの中には、基本的に、動作の中で守るべきコツがあるんですね。

 実際、28メートル先に矢を射るとき、多少手首は動くし、重心も人それぞれで変化する部分もあります。それは練習していけば、いずれ気がつくポイント。でも基礎となるイメージを持つことは大事です。

 それに、コツを最初からイメージして稽古する、しないとでは、的を射抜くまでにかかる時間が違ってくるんですね。


 顧問の先生が弓道に関する知識を有していても、その理屈を理解するにはやはり実際に28メートルで稽古しないと、ピンとこないんですね。

 そもそも、経験者(先輩とか)が教える事が正解かどうかなんて、弓道初心者が理解するのは至難の業、というかほぼ無理!

 だから言われたままの事が正解である可能性を期待するより、自分で考え、試行錯誤しながら稽古するから上達するんですよ。逆に圧倒的な知識を有する経験者の指導があっても、その指導が自分に合っているかどうかはまた別の話。

 

 じゃあなぜ私はそう考えるのか。

 根拠は後輩達を教えてきた経験から判断してるんです。

 28メートルで稽古をし始めたとき、基礎的なポイントをおさえている子のほうが、教えやすいから。


 悪い技術を修正する稽古。

 良い技術を伸ばす稽古。


 この2通りとした場合、良い技術を伸ばす稽古のほうが、教える側の知識、技術が低くても、結果的に良い方向になりやすい。 

 その要素を利用すれば、悪い技術が出来るだけない状態で指導してもらったほうが、上達しやすいから。単純ですね。

 でもこれが根拠の理由です。


 あ、でも私の考えが正しいかどうかは分からないですね(笑)

 そうですね。これはね、各自の自己判断で(おい!)

 

③、お手本を見つける。

 あ、弓道家としてのマナーに関しては、教えてもらってくださいね。

 ここでは、28メートルの距離で稽古が出来るようになってからの、オススメの稽古方法です。

 ずばり、上達するための近道。めちゃくちゃ上手い人の真似をしてみる!

 です。これは弓道の試合とかで、必ずいます。体の動かし方、弓の引き方を真似るだけでも、新しいヒントが思い浮かぶ場合もありますよ。

 ただ、奇抜な引き方をする人の真似は、遠回りになるパターンもありますが、気に入ったならば、とりあえず真似てみる。これがまた楽しいんですよ。

 上手い人をどんどん見つけてね、コピーしようとするのも、一つの楽しさですからね。

「あんなふうに引きたい! あてたい!」

 その気持ちが、自分の腕を磨く一つの要素になりますからね。

 

⚪︎初心者だからこそ、悩む壁もある。

 ということで、とある例を紹介します。

 大学時代に入部してきた弓道初心者の子なんかは、部活では宝物のように扱われていました。でも、教えてもらっていても、あまり上達しませんでした。それは、いきなり難しい事を色々言われてて、理解出来なくてチンプンカンプン。

 そりゃそうでしょ、いきなり手首の形が〜とか背筋が〜とか言われて、わかるわけないんです。

 それなりに弓道を稽古してきた子達が経験してきた、「これはやっちゃ駄目だ、こうするんだ!」と急に言われても、「わけわからん」と思いますよ。

 確かに基礎は大事ですが、本格的な技術に関しては、28メートル先の的を射抜く練習をするようになってからじゃないと、実感も湧かないし、理解出来ない事なんててんこ盛り。

 だから初心者はまず、〝怪我をせずに、弓を引く方法を覚えるんです〟

 それを稽古する中にある、的中に繋がるコツ。これは基礎練習でも稽古出来ますからね。

 でもね〜。正直なところ、最初はそんな事は考えないです。

 とにかく、早く28メートル先の的に向かって矢を射ちたい。


 みんなそう思うんです。だからね、頑張ってくださいね!


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