第27話 反骨精神の持ち主と呼ばれて。

 20代の前半。

 私は反骨精神の持ち主だと言われた。


 中学をノー天気に過ごした私は、高校に入ってすぐ人間関係でつまずいた。友達の裏切りに合い、陰口を言っているのを偶然聞いてしまったのである。


 今思えば、自分のことではなかったのかもしれませんが、当時は深刻で、不登校になりかけました。


 その分、大学は楽しく過ごせましたが、大学卒業後は今度は就職でつまずきました。教授の推薦で入社したSE関係の仕事でしたが、朝5時に起き、家に帰ってくるのが11時。


 そしてご飯を食べ風呂に入って12時に就寝し、あまりの疲れで風呂場で眠ってしまうこともありました。そんな生活に耐えきれず、その会社を2週間で辞めてしまいました。


 そして、やっとの思いで再就職した海外の企業も、2年ほどで結婚の話が浮上し、日本への帰国を強く望んだ私は、結局、会社を退職する道を選びました。


 そして程なくして新宿に本社がある不動産会社に就職しましたが、その会社はバリバリの体育会系で、それはもう厳しい会社でした。


 この会社は全国に約40店舗ある大型店で、営業マンだけで250人、そのほか内勤の事務員が250人いました。


 そこで人間関係、厳しさをたっぷり教わるわけですが、当時は理不尽なことばかりで、悩みも尽きませんでした。


 自分の仕事の他に先輩の雑用をこなさなくてはならず、先輩の顧客へ書類を届けたり、先輩の物件の抄本取りはすべて自分が行い、おまけに毎週10万部くらいの印刷もすべて1番下っ端の自分が行わなければなりませんでした。


 自分の仕事は空いた時間にまとめて処理する以外、方法がなくて、だからというわけではありませんが、仕事を効率よく仕上げる術を学んだような気がします。仕事を終えると、いつもくたくたでした。


 仕事を終えれば終えたで、今度は飲み会が待っています。

 飲み会は、ほぼオールで、朝まで付き合わされるのも、しょっちゅうでした。


 先輩の誘いを断れる、そんな雰囲気は露程もなく、飲み会も日課のうちの1つでした。半年程、成績が低迷し、くすぶりましたが、それからは見違えるように成長し、今度は成績優秀者で表彰されるようになりました。


 ブルドーザーのように草木をなぎ倒して前へ進むので、先輩からは反感を買っていたかもしれません。


 どんどん後輩に追い抜かれてゆく年下の先輩からすれば、目の上のコブのような存在だったのかもしれません。決して認めたくない存在だったと思います。


 妬みや、そしりを受けやすい人は今一度、自分の立ち位置を考えた方が良い。


 でもそれが近い将来、指導者になった時、役立つということ。

 過去の自分に、こっそり教えてあげたいと思います。

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