灰滅<かいめつ>の剣客<エスパーダシン>
雑作家ミナト
第1話 プロローグ
「兄貴!!!」
「ぐっ、グフッ!」
炎があちらこちらで燃え盛り、人々は突如として現れた未知の生物から逃げるため悲鳴を上げながら逃げ惑っている。
そんな中人混みをかき分けながら吐血して倒れる兄貴に駆け寄って抱き抱える。
「や、やっぱり俺に、こいつは使えないか。ゲホッ」
そう言って右手に持っていたスマートフォンのようなデバイスを見つめる。
「い、急いで病院に!」
「い、いやもうダメみたいだ」
「そんなこと言うなよ!!あいつを、
「そ、そのつもりだったけど無理なものは無理なんだよ」
感情を爆発させて訴える俺に兄貴は力無く首を横に振るう。
「・・・
真剣な顔をして俺の名前を呼び、手に持っていたデバイスを手渡す。
それを受け取ると突如デバイスが光始めた。
「使用者
「移行って、どう言うことだよ兄貴!」
「そのままの通りだ、お前にこいつの所有権を渡した。俺の代わり結愛を守れるように」
「何言ってんだ!俺なんかより兄貴の方が!」
そういうと兄貴は首をゆっくりと横に振ってデバイスを持っている俺の手を握る。
「俺にはもう時間がない・・・それにな」
そう言って顔を俺の方に向けて
「お前優しさと強さなら結愛を、みんなを必ず救える。だからお前に託す、この力を」
兄貴は俺の手を想いを込めるように強く握りしめる。
「・・・・そろそろ、ヤバいみたいだ・・・あとは頼んだぞ・・・真紘」
兄貴は優しく俺の名前を呼ぶと俺の手を握っていた手がゆっくりと地面に落ちた。
「おい・・兄貴、兄貴!!目を・・覚ましてくれ!!!!兄貴!!」
俺は泣き散らしながら兄貴を抱きしめる。
爆炎と轟音が鳴り響く街中に俺の叫び声がこだました。
西暦2050年、世界は突如として別次元の穴から現れた生物アナザーによって人類は壊滅的な被害を受けた。
既存の兵器は全く効果がなく、人々はアナザーにより滅ぶことを覚悟していた。
だがアナザーと同時期に発見されたデバイス、コネクトギア。
そして13人の男女がそれを使いアナザーを追い払った。
その中でも一人でアナザーに支配された街を取り返し、最上位クラスのアナザーを葬り去りアナザーを退けるきっかけ男がいた、その男の持つ剣と佇まいから人々は彼を灰色の剣士と呼んだ。
だがその戦いを最後に姿を消した、自分のデバイスを置いて。
そこから9年後、世界はアナザーの侵攻を退けたはずだった
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