友だちを推していたら

野口マッハ剛(ごう)

第1話 ホラーの始まり

「やっぱりカエデはオレの推しだな」


 そう言ったのはソウ、イケメンの二十三歳である。カエデも二十三歳である。カエデはモデル顔だ。


 ソウとカエデは街でブラリと歩いて遊んでいる。ソウは友だちであるカエデを推している。スマホのケースにはカエデの証明写真が一枚入っている。


 ソウはあくまでもカエデのファン。カエデは一般人である。友だちの推し活、若者の流行である。


 いつの間にか、カエデはどこかへと消え去っている。


 翌日、カエデに電話をかけるソウ。


「え? そうなの? 昨日、遊んだっけ?」


「カエデ? 覚えていないのか?」


 ソウはカエデと電話をしながら、家のカエデの祭壇を見つめている。


 カエデがウソを言うかなぁ?


 ソウは疑問に思っている。

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