神さま

 ボランティア隊たちは、とても充実していて、いきいきしている。

 

 で、なんだか…将来引っ越し業者のバイトしようかな?筋肉つくし‼︎なんなら就職も、ありなんじゃね⁉︎と話している先輩や、窓掃除めっちゃ楽しいんだけど!高層ビルの窓拭きやりてー‼︎と、言い出す方も現れた。

 

 将来やりたいことを見つけるのって難しいけど、こうやって実際に動いてみてわかることって色々あるんだなーとつくづく思う。

 

 さらには、ボランティアでオレたちは活動しているから、別に強制じゃないところもまたいいらしい。

 

 体調が良くないときは、無理に参加する必要もないし、連絡も不用な所もまたいいのだろう。

 

 ここまでボランティアの規模が大きくなると、オレは生徒会長に呼ばれた。

 

 そして、生徒会室にドキドキしながら入室した。

 

「し、失礼します。」

「どうぞ。」

 と、品のあるお声がオレを招いた。

 

 生徒会長は、超絶美人で有名だ。

 

 そんな生徒会長からの直々のお呼び出し。

 

 なぜ佐久間には、こんなに美人ばかりが集まってくるんだ⁉︎と、皆首を傾げた。

 

 

 うん…。

 オレも首を傾げたよ。

 

 なぜだろうと。

 

 

 結局なぜかわからないけど、生徒会長からお礼の言葉をちょうだい致した。

 

 でもね、オレはお礼の言葉よりも…会長があんまり美しくて、それでもってとってもいい匂いがして、そっちばっかり意識がいっちゃってたよね…。

 

 こんな間近で会長とお話しできて貴重な体験をさせていただいた。

 

 

 もう、こんな近くで会長と話せるチャンスは、ないだろうと思っていた次の日…

 会長がまさかのオレのクラスへとやってきたのだった。

 

 そして、

「あなたと接する人は、皆いきいきする気がするので、週一で生徒会室に顔出しにきてね!あなたのこともっと知りたいわ」

 と、お誘いを受けたのだった。

 

 で、先輩がいなくなると…

 それを聞き耳立てていたクラスの男子は、皆オレを拝んだ。

 

 なんなら、神さま〜恋愛成就の神さま〜と声に出して拝む人まで現れた。

 

 で、この噂を聞きつけた他のクラスの人たちも、オレをみつけては神さま〜と声かけしてくるのでありました。

 

 

 あれ?

 オレは…やっぱり神さまに転生してんじゃね⁉︎

 

 見た目は、思春期ボーイだけど…実は神さまなんじゃね⁉︎と、自分がわからなくなりつつあるのでありました。

 

 自分迷子って…どうすりゃいいの?

 

 迷子センターに行っても…

 ボクが迷子ですって聞いても…

 はぁ…。そうですか…。って言われて追い返されるに決まっているよねー…。

 

 どこにいけばいいんだろうね?

 

 というわけで、自分を見つける旅に出ようと外に出た。

 

 そして、寒くてすぐに帰ってきたのでありました。

 

 まず、自分探しよりも上着探しの方が先だと気づいたオレなのでありました。

 

 

 続く。

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