第15話
もう一度剣を構えた時、団員たちはライアンが満面の笑みになっていることに気づくのだった。
その夜、宿へ帰ってきたリトルブルーはそのままベッドへと大の字に倒れこむ。心地良い疲労感が全身を包んでいた。
結局、二人が戦いを終えた時にはもう日が落ちていて、周りの野次馬たちは誰もいなくなっていた。リトルブルーはおもいだす。他のことなんて何一つ目に入ってこなかった。
ライアンの姿だけをはっきりと覚えている。
「…やだ」
まただ。また始まった。彼を思いだすと胸のあたりがそわそわしだす。以前にもこういったことはあった。他の人よりも少しだけ距離が近かった男子や気遣ってくれた男性の笑顔に、胸がきゅっと縛りあげられる感覚。その度にそれを押し殺してきた。恋の始まりであることが、心のどこかでわかっていたからなのかもしれない。
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