第7話  布団の精霊と早起きの精霊

 冬。

 布団の精霊と早起きの精霊の対立は激化の一途を辿る。


 今朝もとある只人ヒューム族の男性の周りで布団の精霊と早起きの精霊が対立している。


「さあ、布団の精霊の名において、もっとぬくぬくと暖かい中に居るという幸福を味わうのです」


 布団の精霊が人々に小さな幸福を与える為にあと5分の睡眠に誘いざなう


「なんたることですぅ?只人よ。おきるのですぅ!」


 早起きの精霊は『早起きは三文の得』を実行して貰うために必死に起こして三文の得という幸福を与えようと努力する。


 精霊の役目。

 それは人々に小さな幸福を与える事であり、相対する精霊と対立するのは本来お門違いも甚だしい。


 精霊王は両者を呼んで話をしてみたがお互いに、その方が遣り甲斐が有るから。という理由で同じ人のもとに現れるだけであり、本人達。いやこの場合本精霊達はいたって仲が良いらしい。


 今夜も二人揃って仲良く明日向かう人を誰にするのか相談している。


 どうしてこうなってしまうのかは誰も知らない。

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