第3話  巷に付ける名前

 あちこちの街の通りにステキな名前が付いている。学園通り、あじさい通り、アカシア通り。


 そんな街の通りにステキな名前を付けようと吉河県古幡市で混乱が起きている。街の人びとの様子を見てみよう。


「あー。倉澤耳鼻咽喉科?ああ。このケトロンバハタル通りを真っ直ぐ行くとね、ユージン・アバートルトン交差点に当たるから。そこを左折して。3個目の左に曲がる道がカテンバハロンド小路こうじで、そこの右手に入るエセンカホッポルカ袋小路に有りますよ」


 カタカナだらけで物凄く覚え辛いのだ。


 市は『市民に親しんで貰えるような名前にした』とは言うが、お年寄りや子供からは覚えつらいと不評である。


 市はせっかく決めた巷の名前を是非覚えて欲しいとしている。

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