第11話「自殺前夜」

死を持って締めくくるのが非常に粋な計らいだ

この命の最後を謎として残し

死していく

なんと、サプライズ的なエンタープライズだろうか


生きる事に実直で在れば

死ぬ事にさえ涙しない

完膚なきまでに生きて

必衰の体に私信を引き締め

死を送り迎える準備をする


さぞ、神は命の手ほどきに

抜かりがないのだろう

誰にも死後をバラさない

その手ほどきに感服する


では、死後を味合うには

死ねばいいだけか

なんて強度の強い壁だろうか

叩いても音はしない

死は永遠の謎


その謎を手掛けるなど

果たして幸か不幸か

いづれ死ぬなら

生きる今くらい楽しんだ後でいいか


また悩んでしまう

人とは、見えないものにここまで翻弄されるか

この実直な感慨は

神の習わした死なのだ

実に天才的だ


はて、死ぬか、生きるか

もうとう、決意がつかない


これが自殺前夜か

実に僕は死の上で踊らされている


実に好奇心も湧くし

不安でもある

この不祥事を


僕は今日も見送った

生きてしまった


まぁ死んだ後じゃ

こうも悩めないだろう

まぁ生きた


生きたんだ


それはそれで覚悟した答えだ


君も死にたいなら

生きてる今は

君の覚悟の強さだと

そう、思うよ


じゃ、頑張れ。

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