第6話「獣に成れ」

泣き叫んで

何がしたい

君はもう僕の獲物だ

既に命の行く先は決している

死ぬんだよ


どうだい

その死の感覚を

いち早く知れるんだ

実に夢見心地だろう

なんだ理解できないのか


それは実に勿体ない

君は命のやり取りの

野生的興奮を知らないのか

人は元は獣

その心を忘れてるとは

なんとも勿体ない


教えてやろう

私が教授しよう

死を持って肉体に刻もう

痛みという愛憎を

恐怖という震えあがる怒号を

冷酷な死んだ目を


教えてやろう

いいや実践してやろう

ほら、猫だ

掻っ捌いてみろ


猫をこのピーラーで

皮をはいで見ろ

赤く照る血の温度

そして猫の悲鳴

どうだ最高に本能が

蘇るだろう


これだよ

これ


もっと残酷に

なるべく苦痛を強く長く

絶望して闇落ちする

その一環まで


全てを奪い去ってやれ

命とは美しい

美しいのだよ

だからその逆もまた美しいのだ

残酷なほど


生きてる事を痛烈に感謝する

そうだろ

君もそうだ

狙い狙われ

その野心に全てをまかせみろ


さぁ私にナイフを向けてみろ

次は人だ人を殺してみろ


出来ないか

やはり君にはがっかりだ


まだ教育が足りないようだ

順応できないなら死ぬがいい

情熱的に死んでいけばいい


さらばだ

躊躇は人を殺す

それを身をもって知れ


ザクッ・・・

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