第4話 新要素
2年以上探索者してて10レベルまでしか上がらなかったってのにそれが今日だけで、一体モンスターを倒しただけで5レベルもアップするなんて……。
こんなの味わっちまったらもう止まらねえって! レベルアップ気持ちええっ!!
え、モンスターでもステータスとか見れるのかな? こんなに自分のステータスが見たい欲求が湧くのなんて初めてなんだけど。
今まではステータスを見るって行為はため息を吐き出すスイッチ、やる気減退スイッチでしかなかったのに……転生、最高の可能性出てきたな。
ってわけで試してみますか。
『――ステータス』
―――――
名前:多白守(おおしろまもる)
種族:一角兎
ランク:G
年齢:20
レベル:15
HP:60
攻撃力:20
魔法攻撃力:20
防御力:30
魔法防御力:30
幸運値:10000
クリティカル率:10%
◇
ノーマルスキル:鑑定LV1(特殊効果:経験値取得効率表記)
◇
ユニークスキル:下僕の才、ガードブレイク(角攻撃限定)LV1
◇
習得魔法:無し
◇
進化:50
◇
新スキル取得:20
◇
各属性魔法習得条件:各属性格上のモンスター30匹討伐。
◇
特攻付与:人殺しモンスタ―
◇
備考:人間に対しての暴力行為が一部制限、また弱体化中。人間からの干渉を受けやすい。モンスターとの遭遇率が高。
―――――
できた。本当にレベル15だ。
そんでこのガードブレイクがさっきのドラゴンに刺さったと……。
このスキルさえありゃマジであり得るのか、ダンジョンクリア……いや、待って。
何かパラメーター低くない? 人間の時は10レベルでこれよりパラメーター良かったって!
これが食用モンスターの潜在能力ってわけか……へぇ、燃えるじゃん。逆に。
しかも人間には存在しない進化の表記があるし。
目に見えてのびしろがあるのはモチベが大分上がるわ。
それになんか過保護じゃない? 今まで以上に詳細な情報が見れるようになってるんだけど。俺が知能の低いモンスターだから贔屓してくれてる? それともアナウンスさんのお蔭? わかんないけど助かるぅ。
当面の目標も決めやすいよ、これなら。
「……ききっ!」
ってなわけでまずはあのドラゴンカモってレベル50で進化目指しちゃおうかなあ! やったるぜおいっ!
言い欠く兎の鳴き声だとあんまり勢いつかないけど、関係ない関係な――
――コロン。
「き?」
早速2匹目のベビードラゴン探しをしようとした時、ベビードラゴンの口から何かが吐き出された。
キラキラ光りながら微妙に振動してる……石?
そういえば深い階層に住むモンスターからは『魔石』が剥ぎ取れるって聞いたことがある。
魔石は宝石と同じ扱いでかなり高い値段で取引されるとかされないとか。
でもやたら硬くて加工ができないから使用用途としては今のところそれしかなくて、モンスターの素材を優先するって探索者の方が多いらしい。
金、人間の時なら喉から手が出るほど欲しかったけど、もういらないんだよな。
しかもモンスターになったことでこういうアイテムをしまう場所もないわけで……はっきり言ってゴミ。
そんなもんより今なら食料になるようなものの方が重要だわ。
ただ……勿体ないよなぁ。これ。ゲームなら絶対レアドロップだもん。
「――があぁ!!」
「「がぁあああぁっ!!」」
――どんっ。
「き、きゃあっ!?」
―――――
名前:多白守(おおしろまもる)
種族:一角兎
HP:60→40
―――――
そんなこと考えながらベビードラゴンの死体と魔石を眺めていると、尻に鈍痛が走った。
この鳴き声はさっきのベビードラゴン。それに、コボルトっぽい。
ベビードラゴンがコボルトを使役して襲わせてるみたいな感じか?
2匹同時な上、なんか俺を警戒してんのかな?
この角を怖がってできるだけ自分は近づかず、前衛と後衛で分かれて確実に殺す……みたいな。
ふーん。……それヤバくね。
この角は多分最強だよ。でもね、パラメターはまだ低くてさ、角の対策されるとヤバいの。いやぁここまでベビードラゴンの知能が高いとか聞いてない……聞いてない!
そんでもって出っぱなしだったステータスが尻引っ叩かれてHP40に変わってるって!
「き、きき……」
撤退! 撤退撤退撤退! カモにする戦闘パターンはまだ確立できてないんだって!
って、やばい今の一撃で足がふらついて……。
「きっ!」
こけちゃった。
この隙に追撃が飛んでくる――
――パリン。
ん? 割れる音? ああ、角が魔石に当たったのか。
すげえなこの角、まさかあの魔石まで割れるなんて。
ま、だからってこの状況が変わるわけな――
『【炎の魔石(極小)】の破壊が確認されました。バフ効果の抽選を開始します』
……。なるほどね。これバフガチャアイテムだ!! 石! 無課金石!!
ダンジョンにガチャ要素きたあああああああああああああああ!!
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