１月６日

「目が見えなくなってきた……」

「元から近視になりそうだったじゃん」

「まだ近視じゃなかったもん」

「将来は眼鏡かぁ」

「眼鏡は嫌だからコンタクトにする……」

「怖くて無理とか言ってたくせに」

「う、うるさいなぁ……。兄さんは、何でそんな子供の頃の話を覚えてるのよ」

「お前のことなら何でも覚えてるよ」

「……じゃあ兄さんは、私のことはずっと忘れないでいてくれる？」

「当たり前じゃん」

「十年後も？　二十年後も？」

「その頃、きっとお前は眼鏡になってるんだろうなぁ」

「兄さん……」

「……」

「……兄さん？」

「そ、そんなことを約束しなくてもどうせずっとお前は俺の傍にいるだろう！」

「……兄さんはきっと全部忘れて、結婚しちゃうんだろうなぁ」

「そ、そんなわけないだろう！」

「ううん、これは私の独り言」

義妹がゾンビになるまで残り２日

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