第9話「死に化粧」

リーデンカッター

彼は言う

命の終わりには死よりも美しい人が待つ、と

人は人によって最期まで裁かれる

どのような道筋、人生、利害関係にあっても

死後には愛が降っている

まさか、神の不在を解き

人が死後まで統治してると

その行く末を唄うには

あまりに彼は偉大である


命にある衰弱は

次なる居場所へのパスで在り

死とともに現れる

武勇伝となる


ならば死など臆する事、無きにも在らず

零度という身体温度に

同化するほど

人は無際限の化粧を得る


その死に化粧に

口を添えるは、愛の尊き真髄


刹那と愛憎と無慈悲さ

その全てに掛かる

手ほどきの命


たぐいまれない人生を映し

ただの根性なしと言われても


私はただ死に口を添えて

命を慈しむであろう。

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