第36話 変わろうとする心

「ねぇお母さん。少し話があるの。お父さんも。」



「…なんだ?」



「何?私達ちょっと忙しいから、話があるなら早く言って頂戴。もしくは後にしてくれると助かるわ。そもそも何の話?」



「…お父さんやお母さんだって、私が何について話をしたいかくらいわかるんじゃない?お父さんやお母さんも、少しは話をしようよ。どうしてそこまで話をしようとしないの?」



「…あのな。父さんも母さんも、自分達のやらなければいけないことで手が一杯なんだよ。あんな馬鹿なやつの話をして、時間を無駄にすることは出来ないんだ。」



「じゃあ仮にそうだとしても、話し合いをしないって理由にはならないでしょ。私だって正直思うところはあるけど、話を聞かずにあんな風に何処かへ行かせるっていうのはおかしいと思う。」



「いい?あの子は、自分の意志でここの家から出ていったの。たしかにあんな事を起こせば言えにも居づらいわよねってことで、私が許可を出したの。ただし、警察に話をして私達に変に迷惑をかけないことを前提にね。」



「…じゃあどこに行ったのかはお母さんも知ってるよね?あの弁護士の人のところだよ?それにあの人だって、今こうしている間にも動いてるかもしれないじゃん。せめて、話くらいは聞こうよ。」



「だからさっきも言っただろう?話を聞く必要はない。」



「でも…」



「くどい‼お前だってやらなければいけないことは多いはずだ‼勉強だって最近やっている様子が一切ないじゃないか。こんな話をするくらいなら、勉強をしていなさい。」



「勉強をしないと行けないってのは分かってる。でも、それはそれとしてさっき言ったように話しをしたほうが良いと思うの。」



「どうしてそこまで話し合いにこだわる。別に話し合いをしなくたって構わないだろう?それにもしやり取りをすることになったとしても、あの弁護士を介せばいいじゃないか。」



「そうよ。私達がわざわざ会う必要はないわ。それに…貴方には分からないでしょうけど、こっちには色々な事情があるの。」



「色々な事情があるとしても、少しお互いに話すくらいだよ?そんな1時間も話をしたりするわけじゃないんだから、お母さんにもお父さんにも負担にはならないはずだよ。それとも、1時間も話をしないのに負担になるって言いたいの?」



「…はぁ。分かったわ。貴方どう思います?」



「正直言って頑固だからなぁ…おそらく話をなんとしても通そうとしてくるはずだ。だから、ここで拒否をしていてもおそらくその話を持ってこられるだけだ。それだったら話をしてしまったほうが良いかもしれない。」



「それもそうね。それじゃあ…私の方から連絡を取っておくわ。」



「あぁ。頼んだ。」



はぁ…なんとか私の話を聞いてもらえた。お父さんもお母さんも、ちゃんと話をしないとそもそも話を聞いてくれないし、要望を通すことなんて出来やしない。だからしっかりと時間を掛けて話を進めるしか無いのだ。



しかもお父さんに至っては、話をしてもその内容によってはずっと答えを出すのを先延ばしにしたりするから、数回で決着をつけなければいけないのだ。



だからこうやって話をまとめきることが出来たのは僥倖だ。



「でもな、俺も母さんも話し合いをしたいって思ってるわけじゃない。俺と母さんは話を聞くだけだ。つまり言えば何か話をしたりすることはないってことだ。あいつの話を聞くだけ聞いてあげようというのだから、良いだろう?」



「うん。勿論話を聞くだけでも良いよ。とにかく、そういう時間を用意することが大切だと思うんだ。だから話を聞いてあげるだけでも良いと思う。」



「はぁ…一点私から聞いてもいいかしら?」



「うん。」



「私も話をすること自体は悪くはないと思うわ。でもね、話し合いをしたからなにになるの?って思うのよ。話を聞いて上げたからといって、私達の考えている事。思っていることが変わるわけじゃない。」



「そんなことはないよ。たしかに、必ず変わるってことはないかもしれないけどお母さんもお父さんも必ずなにか変化があると思うよ。」



「…分かった。合間を縫う形にはなるが、話を聞いてあげようじゃないか。」









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