第28話 教師の徴集

「あれは別に何も問題はない。気にするな。それよりも話をするんだろう?早くしたまえ。」



「はぁ…まぁ良いです。俺としてもさっさとここを出たいので話を済ませましょう。結局、話は振り出しに戻るわけなのですが…彼はしていないと主張していました。つまり彼以外の方が編集をしたわけですが、心当たりは?」



「…心当たりはない。」



「本当ですか?そちらの学年主任の先生もですか?」



「えぇそうです。私も特に誰かが編集していたというのは把握していませんね。なのでわかりません。」



「そうですか…非常に残念ですが、すぐに終わることは出来ないようです。こちらの編集をした方を見つけ出して、元の編集前の状態にしてもらわないといけません。あいにく私はこういった物の知識は疎いので、もとに戻したりすることが出来ないんです。」



「なるほど。」



俺は書類の整理をしながら教頭先生が来るのを待った。待っていたが、異様に来るのが遅い。まるで誰かが出ていくのを待っているかのようだった。



「校長先生?教頭先生はいつになったら来てくれるんですか?俺の方から職員室に向かったほうが良いですか?」



「もう少しだけ…もう少しだけ待っていただけませんか?おそらくもうすぐこちらに来ますので。」



「…そうですか。では後5分だけ待ちます。その間に来ないようであれば、私が直接職員室に赴いて確認してきます。万が一、不在であったり呼んでいるにも関わらず通常の業務をしているようであれば…覚悟してくださいね?」



「そこは大丈夫だ。」



「そうだと良いですが…」



それから5分がたった。しかし人が来る様子はまるでない。



「…ではこれから職員室に向かわせていただきます。」



追いかけてくる校長と学年主任から逃げるようにして歩いた。そしてすぐに職員室に駆け寄ると俺はドアを開けて中へとはいっていった。



中に入った俺はドアの近くに居た教師に話しかけた。



「すみません。1つお伺いしてもいいですか?」



「構いませんよ。なんでしょうか?」



「教頭先生はどちらに居ますか?もしいらっしゃらないようでしたら、菊池翔太くんのクラス担任を連れてきてください。お願いできませんか?」



「分かりました。少しここで待っていてください。確認してきます。」



「よろしくお願いします。頼みます。」



教師は奥の方に行き、ホワイトボードに書かれているものを確認するとこっちに戻ってきた。



「お待ちさせて申し訳ありません。取り敢えず教頭先生はいました。それと、菊池翔太君のクラスの担当教員も居ますね。」



「そうですか。でしたら先程もお願いした通り、お願いします。」



「分かりました。呼んできます。」





そうして数分経つと、気だるそうな表情を浮かべた人がやって来た。



「はぁ…一体誰だ。私のことを呼ぶなんて。」



「お疲れ様です。私はこういう者です。今後とも関わることになると思いますがどうぞよろしくお願いします。」



「あっあぁ…」



「それでは早速話をしなければいけないので、お越しください。校長室にてお待ちしております。」



俺は教頭先生にそう告げて、もう一人の方へと目を向けた。もう一人の女性の教師は、俺の方を見て面倒事に巻き込まれたことを嘆くかのようにため息を付いた。



「貴方にも話がありますので、教頭先生にも頼んだように校長室に来てください。貴方が担当しているクラスに菊池翔太くんという子が居ると思います。その子の件で話があります。」



「あ〜分かりました。」



「そうですか。分かっていただけたようなら幸いです。すぐに来てください。お願いします。」



「分かりました。すぐに向かいます。えっと…どれくらい時間かかりますか?」



「そうですね…すぐに話が進めば、数十分と立たずに終わると思いますよ。ですが、話が拗れて進まなくなってしまった場合明日以降も話をしなければいけません。」



「マジですか…」



「えぇ。ちなみに校長先生と、学年主任の先生にも話を伺う予定ですので嘘をついたりするのはお辞めください。もし、嘘をつかれると更に伸びてしまいますので。」



「わっ分かりました。」







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