第6話「花は咲く」

生きてから死ぬまでに

心が何度も揺れるだろう

それでも命から振り落とされないように

懸命に、前を見据え

世を渡っていけ


静まり帰った部屋にさえ

朝にさす、かすかな光

ほのかに輪郭を帯びる朝日


ぼやけても

ふやけても

緩んでいても

確かにあなたは、何かを感じて

そうなっている


その鬱屈とした心さえ

過去からすればまだマシなものかもしれない

今、流れ着いた

その意識と生活は


きっと感じきれてないだけで

ある意味恵まれているのかもしれない


人は、どうにも

過酷さには長居できないから

きっとそこは恵まれているのだろう


あなたは今、わだかまりがあって

その割れた気持ちも

もしかしたら新たな経験へとあなたを誘っているのかもしれない

決して、ハッピーとはいかずとも


この今ある全てのブルーな思いは

雨と同じで、綺麗な虹がかかる兆しなのかもしれない


だから、命に揺さぶられても

生きて虹を見るまで

いいや虹を見たその後でさえ


生きて

生きて

生きていけ。


もう、人には、四季を超える

華やぐ色がある

だから、環境とミスマッチな今も

やがては色づいて

綺麗に花咲くのだから


それまで気長に生きればいい

例えなかなか咲けずとも

それは100年に一回の、奇跡の花になるから。


あなたが抱える全ては

必ず花咲くから

大丈夫


大丈夫だ。


だから生きてくれ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る