詩集「奴隷ノ真髄」(完)

不可世

第1話「私を乗せ」

命はただ冷淡に

区分けされている

私はその訝しい犬猿の中を這い

夜な夜な死を夢見る


この不条理は

産まれた頃からで

だけど笑うあの子が居るから

幸せを知ってしまったから

涙がただ伝う


そうは成れないと

そうは生きれないと

私に笑える機会はないと

ただ底にある人生だから

何も手に出来ないと


そう、悲しみ通すしか

出来なかった

希望なんて持ってしまえば

より悲しみがより痛むから

だからあなたの笑顔を見ることさえ

本当に苦しい


でもそれでも生きてるから

いつかはそう言った瞬間があるのではないかと

ただ思ってもいいだろうか


この一生で一度でも

笑えれば

私はそれでいい

だからあなたの笑顔に

私もつられて

この今日だけは、あなたの幸せに

私をのせて

希望を見ていいだろうか


それだけで

私は満足できる

いつか肩を並べて

生きれる日があると


そう願う


じゃ、またね。

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