第31話 復習ー小説背景を解説しよう(3年B組の授業を借りて)

地球 東京 都立x高校

3年B組 火曜日3限 

地歴公民(宇宙の地理と社会)

担当 人気のゆうこ先生 


「はい、じゃあね。もう入試も近づいて来てるから、特に今年突然付け加わった宇宙、主に火星とそして火星と交易してるタイタンについてまとめとくからよく聞いててね。


 じゃあ、まず火星から見て行こうか、最近まで火星って生物いないって言われてたんだよね、でもさ、これってNASAとアメリカ政府のウソだったんだ。火星のあの赤茶けた画像ってNASAの偽造だったんだよ。


 実際はこれ、あ、電子黒板みてね、ほら青い海もちゃあんとあるでしょ。火星の半径は地球の1/2、引力は地球の40パーセントだからさ、すっごく楽だし、高いとこでも飛べるんだよ。で、自転速度は地球とほぼ同じなんです。


 1日は24時間だし、自転軸は地球とほぼ同じ角度で傾いてるからさ、四季があるんだよね。ただし、太陽から離れてるから、赤道付近で摂氏15度から20度くらいなんだよ。だから、文明はこの赤道付近に固まってるから、地球よりは人口とても少ないんだ。


 地球で最も高い山、ってエベレスト、これが8000メートル強なんだけど、火星で一番高い山って、オリンポス山、これって27000メートルもあるんだよ。それとこの付近にはアマゾニス平原ってあるんだけど、この平原にある国の名前ってなーーんだ?わかる人、じゃあアヤナ」


「えーっとベンジャミン共和国です」


「はーーい、アヤナ、正解だよね。じゃあ、ベンジャミン共和国って二つの国から成り立ってるって・・・・」


「あ、はい、はい、オレ、オレ」

「あ、じゃあユウキ、言って」


「東西ベンジャミン共和国でーす」


「お、正解だよ、じゃあ東ベンジャミンの皇帝誰だっけ、それと西の大統領、あ、じゃあ、ミユ、言って」


「えーっと、太宗火星帝が東で、セオドア・ペリー大統領が西でーす」

「お、ミユ、すごいじゃん。これ入試で必出だよ」


「じゃあ、オリンポス山に住んでいる影響の強いリーダーって?、はい、じゃあナオキ」

「えーっと、タヌキのポンポコ御前」


「はいっ、正解だよね。火星じゃタヌキや狐も人間みたいな知能持ってるんだ、すごいよね。じゃあ、はい、火星から初めて地球に使節として来た2人の名前、これは皆んなもう知ってるよね」


「はい、はい、はい、オレ、オレ」

「はい、じゃあダイスケ、言って」

「サニーとバニーじゃん」


「はーーい、もうこれは君たちにお馴染みね。じゃあ、次にやって来たこのセクシーなお姉さんは?、あ、はい、じゃあダイスケ、もう一度」


「リンジー・ミルフォード。あれでしょ、処女寺の庭の乱」


「そう、タヌキの七兄弟がお風呂を覗いちゃって罰せられた事件だよね。「乱」っていうのは臣下が主君に叛乱することを言うので、よく覚えててね、


 はい、じゃあ次は火星と交流の深い土星の第6衛星、タイタンを復習しておきましょう。太陽系で地球を除くと大気や液体が豊富にあるのは火星とこのタイタンなんだよ。


 タイタンの大きさは月の1、5倍程度、土星の周囲を15日位で公転しているんだ。でもさ、太陽からすっごく離れているから地表はマイナス179度なんだ。だからさ、水ではなくてメタンの海や川があってメタンの雨が降って来るんだ。


 だから地表には生命は存在しない。その下には岩石の層があり、その下には分厚い氷の層があるんだよ。氷の層の下には水とアンモニアが沸騰しているマグマがあるんだ。


 氷の層と熱いマグマの間にね、比較的暖かい空間があって、そこにはタイタン星人が暮らしているんだ。厳しい環境で生き残るために彼らは高度な文明を発達させたんだよ。

 

 でもさ、他の星へ行くためには絶対宇宙服を着ていないとダメなんだよ。ほら、電子黒板見て。タイタン星人って身長70cmくらいで、アニメの妖精みたいに黒い目、白い肌しててめっちゃカワイイでしょ。


 この星で一番偉い人はプリプリプリン王、でね、皇子のポッポコプリン殿下は地球に来てるって噂もあるんだよ。


 はい、じゃあ、火星と地球にある食べ物でタイタン星人が好きな食べ物ってなあんだ、これちょっと難易度高いけど、入試に出るかもよ、あ、はい、じゃあアヤカ、言って」


「小芋の炊いたん、ですよね」

「お、凄いじゃん。これも覚えておきましょうね。じゃあ、これで宇宙社会の復習、終わりです」


「あ、はい」

「え、何?ユウキ」

「先生ってカレシいるんすか?」

「あ、それってセクハラっていうのよ。覚えておきましょうね」


 つづく






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