オタクに優しいギャルは気持ち悪い!
ゆー。
第1話
皆さんは『オタクに優しいギャル』という存在を信じますか?私は信じません。あんなもの架空の存在です。
そもそもギャルというのはオタクの対義語みたいなものです。つまりは磁石のように反発し合うものなんです。なのでオタクとギャルはそもそもわかりあうことが出来ないんです。
しかしこんな私、
あれはまだこの高校に入学したばかりの時。
入学したてながら完全にぼっちになってしまった私は大好きな百合小説を読んでいたんです。
ふと視線を感じたので、横を見るとどう見てもギャルの圧倒的陽キャ臭を放つ女がいたんです。
そう、
数日経って確信したのですがあいつはヤバい女です。
ギャルというだけでヤバいのにも関わらず、クラスどころか学年超えて学校のマドンナになってやがったのです。
そんなギャルが私のような陰キャに何のようだ、と思うじゃないですか。
なんと『何読んでんの〜?てかめちゃかわじゃん!LIME交換しようべ!』と言ってきたんです!
あのパーソナルスペースの狭さには驚きです。思わず人間アレルギーが発症するところでした。
それでも彼女は私の百合オタクさに引くどころか興味を持ってくれました。そんな彼女に少し惹かれたものです。
そんな出会いがもう1年前。クラス替えにより離れられると思っていたらまたもや同じクラス!しかもまたもや隣の席!
正直他の生徒からの嫉妬の目線が痛いです!変われるもんなら変わりたいですよ!こっちだって!
去年だっていろいろありました。そのいろいろが大分ヤバかったんですけどね。省略して話すと彼女の倫理観が終わってるって話なんですけど…。
というか最近はそのヤバさに拍車をかけている気さえします。
「紗奈ちゃ〜ん!お待たせ、まった?」
そう言っているとついに彼女が来てしまいました。カッコつけて『待った?』なんて聞いているが全然待ってないしそもそも待ち合わせすらしていないはずだ。なんなら帰っている途中だった。
「別に待ってないんですけど…。ていうかなんで私の居場所分かるんですか?ストーカーですか?」
「ひっどいなぁ〜!これは愛のチ・カ・ラ♡」
こんなかんじで私に酷く付きまとう。ある日は教えてないはずなのに私の家に来たこともありました。これは完璧にストーカーです。やってます。
彼女はさりげなく私の腕に自身の腕を絡ませました。うっ!や、柔らかい…。彼女は確かEはあるとか言ってた気が……ってそんな色仕掛けには堕とされません!
「さ、紗奈ちゃんって結構き、着痩せするタイプだよねぇ…え、えへへ」
きた!このギャルの気持ち悪いところ!
このギャルは事あるごとにキショいセクハラおじさん如くキショくなるのです。今だって絡めた腕を私の胸に押し当ててきます。不快です。
「…あの、流石にキショいですよそれは」
「うぇ?!あ、あはは!これはオタクの真似だよ?!ただのキモオタの真似だから!」
皆さん聞きました?これは完全にオタクを見下した言葉です!今まではオタクに優しいのかと思っていましたがこの発言は優しくなんてありません!
「さ、紗奈ちゃん…今度直接おしゃわりしたいにゃ〜…なんて、えへ」
「ダメに決まってるじゃないですか」
「で、ですよね〜!」
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