第18話〈助けを求める合図〉

 °・.*·✿·………………………………·✿·*.・°




 則人ノリトと話して

 思うところがあって…



 もしかしたら

 美桜ミオに会えるかもしれないと

 桜の下で待ってみた



 突如として現れたゴーフ君に

 美桜ミオの居場所を聞いたけど



 首を振られ…(( ‘ω‘ 三 ‘ω‘ ))


 欠伸あくびまでされて…٩(˘ Д ˘)۶



 なんだコイツ…と思ってたら


 美桜ミオが現れて

 ゴーフ君を掴み再び姿を消した



美桜ミオっ!!」




 ・*:.。..。.:*・︎✿・*:.。. .。.:*・




 〜ゴォフ side~


 桜の木の上、揺れる花の陰から

 心優ミユウ氏の様子を見ている美桜ミオ

 その肩に乗り同じく彼を見下ろすわたくし

 “ みんなの君 ” で御座います

 心優ミユウ氏の発音は惜しいですね~




『良いのですか?』


「良いのだ…

 あやつはもう1人で大丈夫だ」


美桜ミオは、良いのですか?』


 念を押すように問いかけ

 美桜ミオの横顔を見る



『人間同士でも別れはありますよ?

 それほどの恐怖が?

 愛を受け愛を捧ぐ

 これほど美しい物はないのに』


 視線を心優ミユウ氏に戻す


 ショックを受けているのか

 肩を落とし、その場から動かない



『可哀想に…

 まだ動けずにいますよ』


「……」


『素直にならないと後悔しますよ?

 彼が お爺さんになる頃には

 美桜ミオもそれなりのババアに見えま…』


「やかましわっ!!!!!」


 バシッ!


 腹を立てた美桜ミオ

 大きな声を発し

 肩の上のわたくしを払い落とす


 美桜ミオは年齢に触れるとキレるんです

 彼女の悪いところです



 わたくしは空中でニヤリと笑い

 クルリと回転


‹‹\(´ω` )/››\( ´ω` )/‹‹\( ´ω`)/››\( ´ )/


 ガシッ


 心優ミユウ氏のフーディの紐に飛びついた



「うわっ!? え?」


 驚く心優ミユウ



「あ……」


 美桜ミオの声に気がつき

 目を上げた心優ミユウ氏と

 木の上の美桜ミオの視線が絡む



美桜ミオ 待って!」



『ぬおっ!まだ動かないでください!

 落ちます〜まだ安定してないのにぃ

 って言っても聞こえてないですよね

 降りますよ〜ウンショ、ウンショ…(ノ゚Д゚)ノ』


 降りながらわたくしのことを少々…



 わたくしは人型の魔力保管庫です

 簡単に言うとUSBメモリのような物ですね

 ……ちょっと違うか?

 決してフィギュアでは御座いません



 彼女はという言葉を使いますが

 要するに主人あるじちからを必要な時に

 必要な分だけ取り出せるように

 内部で整理整頓し保管しております


 保管したちからわたくしのエネルギーの為

 減少すれば当然ながら

 わたくしそんざいは薄くなるわけです

 それは美桜ミオですら

 見つけるのが大変なほどに…


 なのでわたくしが消えかけると

 美桜ミオは慌てて飛んで来るというわけです



 ウンショ、ヨイショ…(ノ゚Д゚)ノもう少しですぅ



美桜ミオ 行かないで

 話したい…お願い降りて来て」


『はい降りましたー!ᐠ(°Д° )ᐟヨイショットー!!』


 心優ミユウ氏が木に近づき見上げる



美桜ミオ?」



『シュポポーンヌッ♪』



 心優ミユウ氏から降りたわたくし

 彼の約2倍に巨大化いたしました


 これくらいはわたくし

 自分で出来るんです( *¯ ꒳¯*)エッヘン!



『ズンッ…ズンッ…(* ˘o˘)♪』


 大きくなっても重さは変わらないので

 自ら効果音をつけております


 何度も言いますがわたくしの声は

 美桜ミオにしか聞こえませんけどね



 心優ミユウ氏の隣に並ぶと

 ゆっくりとわたくしを見上げる心優ミユウ



「うぉ!今度はでかくなった!」


 わたくしの目線は桜の上の美桜ミオの高さ



『いい加減 素直になりなさい美桜ミオ


「お主に関係ないだろゴォフ!」


『関係ないことはないですよ?

 この先もここに居続けるおつもりで?』


「……」


心優ミユウ氏の部屋は暖かかったなぁ

 あの変な目覚ましラップは

 二度とごめんですが…』


「ラップ?」


『コチラの話です、さて?

 そこから降ろして差し上げましょうか?

 ホ~レホレヾ( ´∀` )ハッハッハ~♪』


「うるさい 黙れゴォフ!」


 わたくしの声は美桜ミオにしか聞こえない為

 心優ミユウ氏はキョトンと目を見張っています



 怒った美桜ミオ

 わたくしに向けて杖を構えた


 わたくしの読み通りの行動です

 短気は損気とは

 よく言ったものですね( -∀-)ニヤ



『ああっ!いけません美桜ミオ~っ!』



 パァーッ



 辺りが光に満ちた



『説明しようっ!(*`ㅂ´)و』


 美桜ミオの魔法とわたくしは連動する為

 彼女の魔法効果のもとでは

 わたくしの声もとして処理され

 その瞬間その場に存在する者には

 わたくしの声も聞こえる仕組みです



 てなわけで

 ゴォフ、叫びま〜す!



「口づけは合図ですよ心優ミユウ氏ぃ〜♪」



「ゴォーフ!!ヽ(ꐦ`Д´ )ノ 」


「えっ?なに?なんか聞こえた…

 今の、ゴーフ君の声なの?」



 シュポンッ



 再び小さくなったわたくし

 美桜ミオの手の中でうとましそうに見られる


 ジロ…(¬_¬ )



『睨んでも怖くないですよ』


美桜ミオ、降りて来て」


「イヤじゃ…」


「……なら僕が行く」


 心優ミユウ氏が背伸びして枝に手を伸ばす



「たわけ!この桜は古木こぼくゆえ

 お主の重さには耐えられぬ!

 触れるな!枝が折れるわ、やめい!」


「……なら美桜ミオが来て」


「…っ」


「来ないなら…」


 太そうな枝に手をかける



「分かった!……分かったから…」


 頭を抱える美桜ミオ

 口の端を上げて微笑む心優ミユウ氏とわたくし



 ビュウッ



「うっ( ノω<`)」


 美桜ミオが起こした風に煽られ

 心優ミユウ氏は目を瞑った



 美桜ミオは1歩踏み出すように

 枝からストンと身を降ろす



 心優ミユウ氏は美桜ミオが降りたのに気づかず

 木を見上げたまま何度も瞬きしている



「あ、あれ? 美桜ミオ? Σ( °-° )」


 その姿を下から眺める美桜ミオわたくし



「…ここにいる」


『( ゚∀゚)・∵ブハッ!! … うっ!? … ( ´ཫ` )グハッ』


 思わず吹き出したら

 美桜ミオに思いきり握り潰されました


 はい、大人しくしてます…(* ¯꒳¯)



「話とはなんだ? 手短てみじかに申せ」


「うん…好きだからそばにいて」


 淡々と言う心優ミユウ


 ア゙ア゙…( ˊ࿁ˋ )

 もう少し言い方があるでしょうに…



「はぁあああああ? Σ(°Д° ll)

 何を言っておる!? …正気か?」


 驚愕する美桜ミオ


 ほら…こうなるでしょう?



手短てみじかにって言うからでしょ?」


「だからと言って…

 お主が言うたのだぞ?

 私をそんな風には見ておらぬと」


 あ~確かに言ってましたね ((¯ω¯ *)フム

 ソレが引っかかっていたのですね



「うん…まぁ、あの時は?

 まだなんて言うか…抵抗もあったし?

 自覚もしてなかったから…」


「……」


美桜ミオがいなくなって分かったんだ

 好きな理由なんて語りだしたら

 どれだけ時間があっても足りないよ

 そばにいてちゃんと全部 聞いて…」


 オッフ~( ¯∀¯ *)♪

 これはにやけてしまいますな



「言ったでしょ? 助けてよ

 最後まで面倒みてよ…それに」


 目の前で複雑な表情をしている美桜ミオ

 手を伸ばし引き寄せる心優ミユウ



「ぅ…わっ!」


 そしてそのまま口づけた



 オッ!? (´・∀・`) オ~ッホッホ~♪


  じ ↑

  │ ↑

  ぃ ↑

 ♡( ˙ ³ ˙ )


 ゆ〜っくりと唇が離れる



「み…ゆう?」


「分かる? …助けて欲しいのは

 僕が欲しいのは他の誰かじゃないよ」


 美桜ミオの瞳が揺れる


 動揺してますな…( ¯∀¯ )フッ



「それに…

 出て行く前に美桜ミオがくれた合図

 あれは美桜ミオも助けて欲しいから

 …僕が欲しいからでしょ?」


(*´-д-))) ソ~ゥソゥソゥ

 流石です心優ミユウ氏ぃ

 わたくしが見込んだだけのことはある



「な、何を言っているんだ…

 私が何故お主に合図など…」


 それに引き替え なんと諦めの悪い!



「… ε=(・д・`*)ハァ…

 美桜ミオ、僕を好きでしょう?

 だから助けようとしてくれたんだよね?」


「そのようなこと…

 お主の勝手な思い込みだ(-ω-´ )プイッ」


 信じられない!

 なんて強情なんだこの人は!

 出逢った瞬間から

 心動かされていたくせに〜٩(◦`~´◦)۶



美桜ミオ、僕はそこまで鈍くない

 気づいてしまったから

 知らないフリはしてあげない」


 ウヒョー(*ノωノ)♡

 聞いてるこちらが照れますな



「っ……⁄(⁄ ⁄•⁄-⁄•⁄ ⁄)⁄

 わ、私は人間など…」


「…美桜ミオ


「愛する者を失うのはもうたくさんだ

 ……人間はすぐに死ぬ」



美桜ミオ…』


 美桜ミオの表情に暗い影が落ちる



 のこされた時の苦しみを

 まだ忘れられずにいるのですね



 さて心優ミユウ氏はどう出る?






 ・*:.。..。.:*・︎✿・*:.。. .。.:*・



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