第21話 ゲーム

彼に「色々しかけるから」と言われていたので、何が起きても平気でいるようにしようと思った。

彼は、ほぼ毎日電話をしてきては

話しが尽きなくて、朝まで電話をすることもあった。

彼と話しているのはとても楽しかった

好きな歌手の歌を歌ったりもした

あの歌詞がいいよね?とか、普通の話し

つい、学校で2人で寝ちゃう事もあり

なんだかクラスからは怪しまれてる気がしていた。


彼が授業をサボり保健室で待ち合わせしようと言った。

私は言われるがままだった

保健室へ行くと彼が

「このキスマークの上にバレないように重ねてキスマークつけ」と言ってきた。

私はかなり動揺したけど平気なフリをした

キスマークを付けるのは初めてで力具合が分からない

気がつくと内出血のようになっていた


どうしよう美咲にバレたら

だけど少し(バレてもいいや)と言う気持ちがあった、

なぜなら

女子力高めな美咲はよく私を男のように扱った

「ヨシキになんか似てる、シオが男だったらモテたんじゃない?」とか


「シオは女子トイレから出てくるより、男子トイレから出てくる方が似合うよ」などと言われていた

男性経験が無い私に、やった時の話しばかり聞かせた、、

私は少し嫌だった、マウントを取られているようで

美咲に、

「ヨシキの席の前がシオで良かったよ

シオなら絶対ないもん」と言われた

そんな事が頭によぎりながら付けた

キスマークは濃かった。

(キスマークバレないか?ゲーム)と

ゲームは負けでよかった。

バレても私だとは思わないはずだから

美咲は私の女子としての部分をポキッと折る事が多かった。

悔しかった、でも今折られた心が少し楽になった気がしていた。

彼は濃くつけてしまった事に怒る事もなければ穏やかに

「そのうち薄くなるよ」と言ってくれ私をぎゅっと抱き寄せた

私はなぜか、すごくほっとして、大きくため息をついた。

安心するずっとこうしていたい。

ゲームなんてどうでもよかった

彼が私を好きでいてくれたらいいのに

ただ、そう願っていた。

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