Siren レッド 母から子に捧げるラブレター

@hahanikoniko

第1話

私は埼玉在住 51歳 母

2匹の愛猫と大学生の娘と暮らしている


そんな私が

多発性骨髄腫(白血病)という大病に襲われたのは8年前の事だった


先生?「……骨髄腫です」

私「先生 私 まだ死ねないんですけど」


あの日のあの言葉 今でも忘れもしない

あの後 どうやって会計し

バスに乗り、家に辿り着いたのか

何度考えても 思い出せない

私 死ぬんだ って どうしようって もう、頭が真っ白で目の前は真っ暗で 本当、良く家に辿り着けたなって思う

だが 、本当の苦しみはここから。

その日を境に母の予想もしない辛く苦しい闘いが始まった。



1975年

私は仕事の最中に体調を崩し、職場の人のすすめもあって近くにあるわりかし大きめの病院に行くことにした。

いつもある胃痛だったので、 ほおって置けばそのうち治るだろうと その時はさほど気にしていなかったし採血もしたが特に異常はないという事だった。念の為胃カメラを撮る事になり、嫌だと思いながらも 予約をとって帰ってきた。

カメラは予定通り受け後日結果を聞きに行ったが 結果は異常なしだった。

だがその時には私のお腹はまるで双子がいるかのようにふくらんでいたのだ。

先生「特に異常ないみたいです」「強いて言えば胆嚢が少しあるくらいで」

私 「胆嚢ですか? それは大丈夫なんですか?」

先生「今どうこうするようなほどではありません 特に問題はないです」

私「…… ……」

その時私の頭の中では問題無いと先生から言われた言葉そのものが問題でしかなかった。

だって 問題ないのなら この双子がいるかのように膨らんだお腹は何?

納得行かない私は

私「何もないと言われてもこのお腹はどうすればいいんですか?」と聞き返した。

先生「では行きたい病院を言って貰えれば紹介状を書きますよ」

私は即答で「𓏸𓏸病院で」

先生「分かりました。」

医師の診断に全く納得いってなかったが そんなモヤモヤした気持ちを消すためにも 不安を消すためにも とにかく病院へ急ごう。

その時の私は これで問題が解決したかのよう、これで病気が治ると信じ切っていた。






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