お年玉

「ほら、お年玉。お母さんが預かってあげるから!」

「え~~!」


 母の言葉に娘は渋った。なにせ、このやりとりは毎年のように繰り返されていたからである。


「預かるって言って、アタシに返ってきたことないでしょ!?」


 憤る娘に母は言った。


「確かに、このお金はアンタの元に返ってこないかもしれない……。でも、将来アンタに子供ができたら同じように回収すればいいのよ。ま、国民年金と同じシステムよね」

「お正月から夢の無いこといわないでよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る