なんて残念な妹なんだ…。

髙田知幸

第1話 病院で変人妹の暴走が辛い…。

「イヤ!お兄ちゃん!そんな長い物、お尻に入れないで!」


「…お前、何しに来たんだよ。」


「…もちろん、大腸検査!」


ここは、とある場所に有る病院、そして俺は、この病院の新米の医師で、目の前には健康診断で引っ掛かった妹がいる。


会社から言われて二次検診を受けに来たらしい・・・良い会社だ、妹にはもったいない。


「…お前なぁ、そのセリフを言いたいからって、わざわざ実の兄がいる病院まで来て騒ぐか!嫌なら帰れ!」


「何言ってるのよ!男なら一度は言われたいセリフでしょ!」


「お前にみたいな奴に欲情する神経は持ち合わせていない…。」


このセリフを聞いた通り、非常に残念な妹なんだ…。


正直、周りを平気で巻き込む為、なるべく関わりたくない。


妹はゲームの声優をやっていて、ファンも、かなりいるらしいが…正直な感想、こんな妹に群がる輩はキチガイだ。


「私を見捨てるの!私の兄は、か弱き妹を見捨てる、兄として恥ずかしくないの?」


まだ言うか、この変態は…。


「馬鹿かてめえ!どこがか弱い?ゴキブリより強そうな性格しているくせに、よく言うぜ!」


「ゴキブリと比較するって失礼でしょ!謝んなさいよ!」


「知るか!静かにしないならキャンセルな!迷惑だ!帰れ!」


「うぅ…酷い!わかった、我慢する。」


「警察呼ばれないだけでも、有り難いと思え!」


あぁ、周りの看護士たちの冷たい視線が…痛い。


「お兄ちゃんに、あの長い物を私のお尻に入れて、かき回されても我慢するよ。」


あぁ、こんなに言われてもまだ言うか・・・この糞アマ、本当に、ぶん殴りたい。


「長い物でなく内視鏡!かき回すでなく検査の為に動かすだ!俺の職場で変な事を言うな!」


あぁ、なんて妹なんだ…。


この時、俺は妹がいる人生と言う事に、心底嫌気を感じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る