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 カブくんでぶぃーんときみまち坂に向かう。紅葉や桜の名所だったところだ。異世界では桜は咲かないし紅葉もしないのでただ眺めのいい丘という感じである。当然観光客はいない。


 カブくんを適当に停めて、スコップを担いで「悪魔のオモチャ箱」を探す。他の弱いモンスターの姿はあるが、なかなか「悪魔のオモチャ箱」が見つからない。


 目当てのモンスターだけ出てこないというのはポケモンでたっぷり体験したやつだ。とりあえず怪我をしたときのことを考えて、薬草をドロップするやつから倒していく。


「……あれ? 陸斗じゃね?」


「……虻川か? なしておめこんたところに」


「お前の書いた攻略本、ありがたく使ってらど。『悪魔のオモチャ箱』を探してる」

 以前より少し訛る口調で虻川は言う。


「奇遇だな。俺もだ。おめも誰かにプレゼントするのか?」


「2つになる娘サなにかプレゼントさねばねくてな。おめも同じか?」


「おう。仮面ライダーの変身ベルトをドロップするかはわかんねーばって」

 というわけで、腰にナタを下げた虻川と共闘することとなった。

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