魔剣の美少女に魔力を持っていかれた気分は最悪。

 可愛いと感じてしまった俺をぶん殴ってほしい。

 これは夢なのか?

 夢だとするならばあのパンチの痛みはないはず。

 これは現実で夢ではないということか。


「言っておくけど魔剣は私1人じゃないからね他にもいるから覚悟しておいた方がいいわよ。それとみんな封印されてるし手順を踏まないと私みたいにビリビリさせちゃうかも?」



 ワキワキと手を握ったり、開いたりして

 表現をしている。


 俺に覚悟しておけということなのか?


「りょ……りょうかい」


 そんなわけで、

 俺は1人の魔剣に認められたようだ。

 時に彼女がこんなに力が強いとは思いもよらなかったが、もっとポカポカと殴るような感じだと思っていたが気合いの入った一発をくらった。



 仮に、他の魔剣がクラリエのような力を持っていた場合には俺の力ではなく魔剣の力で俺が逆に支配されて逆ハーレムとなってしまうのではないか?


「魔剣は主として認めた人に紋章を与えるの

 手をだして」


「はい」


「終わり」


「はやくね?!!」


「だいたいこんなもんよ。紋章を1つ、手の甲に契約の証としてやっておいたわ。それより早漏ってなんか凄く卑猥に聞こえるんだけど……まさか……おっ!!」


「いやいや、女の子じゃないからね〜。ほんと、ほんと、早漏っていうのは、早く終えることを言うんだよ」


「なんだ、ならよかった。べべ……別に心配したわけじゃないんだからねっ!」


 クラリエは、パァっと花が綺麗に咲いたような笑顔で俺に向かって言った。後からのツンデレいただきました。ありがとうございます。



「これからどうするの?えーと?……名前なんだっけ?」


「八重隼人 やえはやと、はやとでいい。クラリエでいいか?

 それとも様をつけた方がいい?」


「様なんかいらないわ、クラリエでいい。はやとね、わかったわ。

 それよりもお腹すいたわ、魔力ちょうだい。その並外れた魔力量なら多分大丈夫だと思うわ」



 ―魔剣は魔力をエネルギーとして活動します。

 魔剣にマスターの魔力を吸って貰うだけです。なお、吸ってもらう場所はご自由に身体に触れて入ればどこでも可能です。


 グジョブ。


「人差し指とかでいいかな?」


しまった〜。別のところにすれば良かった。


「いいわよ、べつに、じゃあいただくわ」


 俺の人差し指を彼女の柔らかい手がギュと握りしめてきて、女の子の手とはこんなにもふんわりしている。


「ぐっ……ちか……ぐああぁぁぁぁ!!」


「ふん、まあまあだったわね。」


 なぜか、身体中のエネルギーが一気に持っていかれた感じがする。


 だるい。意識が朦朧としてくる。


 立っていられない。



「これは、ま……ずっ」

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