第2話 友人の話
彼らとは中学に上がった頃からの付き合いなんだけどね。
初めてあったのは始業日。
彼とその幼馴染は、その頃は割と有名だったので、僕も興味があったんだ。
割りと有名だったと言っても決して悪い意味で有名というわけではないよ。
そんなに大きくない街で、幼小9年間ずっと一緒に行動しているというのは、良くも悪くも目立つからね。ご近所さんネットワークというやつだね。
毎日、商店街で仲睦まじく買い物する姿に、店員さんもお客さんも温かく見守る人が多かったんじゃないかな。実際、お年寄りたちには大人気だったしね。
僕も商店街へ買い物に行くと度々見かけたものだよ。
当然、冷かしたり揶揄ったり意地悪する小学生男子もいたけれど、商店街の人たちに見つかると怒られてたので、段々とそんな事をする子も減っていたね。
あいつら揶揄うと大人に怒られるってね。
彼らを揶揄うとね、商店街の人に怒られる、そうすると商店街に買い物に来るその子らの親に知られる、そして彼らは親にも怒られるというわけさ。
陰口?どうかな僕の知る限り陰口を言ってる子は居なかったかな。僕の小学校の中ではって事になるけどね。
ただ、本当かどうかわからないけど、男の子よりも女の子の方を怒らせたらヤバいっていう噂が立ったことがあったんだ。
まぁその噂も直ぐに聞こえなくなったけどね。彼らの味方は多かったからね。
そんなわけで、近隣の小学校でも彼らを知らない人なんて殆ど居なかったよ。
おっと話が逸れたね。
席が前後ということもあり、直ぐに仲良くなったんだ。当然、幼馴染の方も一緒さ。だって、彼女の席は彼の席の隣だから。三年間ずっとね。
学校が始まって直ぐに、僕はテニス部に入部してね。当然、練習だの交流試合だのが多くて、放課後や休日はあまり一緒に遊んだりする機会は無かったけれど、学校内ではずっと一緒行動していたかな。
僕の感じた印象? 僕から見た彼と幼馴染…彼の方で良いかな?
彼って初対面の人やあまり関わり合いのない人に対して、やる気なさげに素っ気ない態度で話すから誤解されやすいんだけど、全然そんな事は無いから安心して。
転校生が問い詰めてたから、何かやらかしたんじゃないかって?
ああ、アレね。思いっきりフラグ立ったやつだよね。
出会い頭にぶつかってあの子だけ倒れたんでしょ?怪我が無くてよかったよね。
フラグ回収で幼馴染と三角関係?
そうなったら面白いんだけどね、残念ながらそうはならないと思うよ。あの幼馴染がそれを知ったら……おっとこれ以上は、ね。わかってくれるかい?
それでも三角関係になったらどうするかって?
万が一にもそんな事になったら三角関係どころじゃ済まなくなる。
三つ巴、いや、それ以上の争奪戦になるね。それはそれで見てみたい気もするけど、そうすると僕も参戦した方が面白くなるかな…冗談だから目をキラキラさせて見つめないでね。
ところで、彼って見た目もそんなに悪いわけではないし、僕と彼、二人でいたら結構いい感じに見えると思わない?
思う?やっぱりね…僕と彼、一部の女生徒には人気があるらしいんだよね。困ったものだよね。ははは。
写真撮ってもいいですかって?僕は構わないよ。え、彼も呼んで欲しいの?
ちょっと待っててね、呼んでくるから。
あ、撮ったら僕にもそのツーショット写真送ってくれるかな?
よろしくね、お嬢さん。
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