アリスの悪夢とドーラ

4.茶会と友情

　週末、私は友人たちを我が家の庭園に招いて茶会を開きました。彼女たちに新しい友達であるドーラを紹介する機会にしたかったのです。屋敷の庭園は花々が満開で、色とりどりの花が香りを放ち、穏やかな春の日差しがそこに居る私たちを温めていました。

「これは素敵な庭ね！」とリザが感嘆の声を上げました。

　彼女たちが到着すると、私はドーラを紹介しました。

「みんな、こちらはドーラ。最近、学院に転校して来ました」と私が言うと、ドーラは少し緊張しながらも微笑み、「こんにちは、どうぞよろしくお願いします」と挨拶しました。

　私たちは庭園の中央にある大きなテーブルに着席し、紅茶とスイーツを楽しみました。メアリーが作ったレモンケーキやステファニーの手作りクッキーがテーブルを飾り、会話は自然と弾んでいきました。

「ドーラ、王都に来てどう？」とメアリーが興味深げに尋ねました。

「はい、とても美しい都です。でも、まだ慣れなくて・・・」とドーラが答えると、リザが「大丈夫よ、私たちがいるわ」と励ましました。

　話題はドーラの故郷や彼女の趣味に移り、彼女は自然を愛する心や、読書への情熱を語りました。彼女の話には温かみがあり、私たちはすぐに彼女の魅力に引き込まれていきました。

「ここに来て良かったわ。皆さんと知り合えて」とドーラが微笑むと、レーナが「私たちもよ、ドーラ」と応えました。私はそんな彼女たちを見て、新しい友情の芽生えを感じていました。

　茶会の最中、私はドーラの家族や過去についてさりげなく尋ねました。

「クラムロス子爵家って、あまり聞かない名前ね」と私が言うと、ドーラは「ええ、私たちの家は長い間、王都から離れた地で暮らしていましたから」と言いました。

　茶会が終わる頃、私たちは庭園を散策し、春の息吹を感じながら会話を楽しみました。ドーラも徐々にリラックスして、自然な笑顔を見せてくれました。彼女の優しい性格と、彼女を取り巻く謎が、私の心を魅了し続けていました。

　この日の茶会は、私たちの友情が深まるきっかけとなり、ドーラが私たちのグループの大切な一員になる瞬間でした。しかし、彼女に関する謎は、私の好奇心を更に掻き立てることになるのでした。