第12話 SLホームズ

 ボン子が、たこ焼きを食べているのが見えた。


 ホームセンターSLホームズの、入口に有るたこ焼き屋さん、たこ亭に来ている。

 店名が、クセのある筆字で書いてある…


 たン…


 細かい事はスルーして、ボン子の向かいに座る。


「お待たせ」

「てかウチも今、来たとこだしー!」


 たこ焼き完食確認。

 たい焼きが入っていたと思われる袋発見。

 お団子が3本置いてある…

 が…

 一緒にソフトクリームを買いにいく。


「ねえ…ペロ…ワラワル時間早くない?」

「うん…アムッ」

「授業早く終わってラクなんだけど…ペロ」

「うん…マムッ」

「ワラワルのままでもまあいっかなーって…ハムッ」

「カリッ…ガリッ…ガリッ」

「ていうか…アム」

「ガリッ…バリッ」

「元の世界…ペロ」

「バリッ…バリッ…」

「戻り方分からんし…ハム」

「ウチ絶対戻りたいし!!」

「ペロ…」

「てかスマホ無いのまじ無理ー!」

「え…ワラワル…スマホ無いの…ポタ」


 そういえば…

 バッグの中に無くて、家に忘れて来たと思っていた…

 携帯が無いと不便なのは間違いない。

 だけど誰も持っていないのならば、問題なく過ごせそうな気も…


「てかテレビとかマンガ系とか…モチッ…朝起きららまり色々無かっらけろ…クチャ」

「え!?」


 バッグの中のパタリロ!を探す。


 有る!


 中を開くと、直ぐに色が薄くなって只の白いノートになった。


「バンコラーーーン!!!」


 電子…

 ケイタ…


 あ…


 これは…

 なんとしても、ワラレテナイワールドンに戻らなければならない…


「ねぇ!ボンちって電車!挟まった事ある!?」

「え?てか挟まったらまじ死ぬしー!」

「ドアドア!」

「ないしー!てかぎゃくにゲリちぃ挟まった系みたいなー!?モッチ」

「今日の朝ギューッと…カリ」

「ギャハハハ!ヤワッ!まりウケるんれふけろー!クチャ」

「カリッ…カリッ…バリッ」

「それでそれで?てか挟まってまじどうなったの?ハハハウケー…」


 しまった…

 先走った…

 恥を晒しただけだった…

 電車は関係ないぞ…

 じゃあどこでワラワルに入ってしまったのだろう…

 どうしたら出られるのか…


「てかゲリちぃ昨日みんなで教室走ったの最後見た?」

「んー…最後…耳が痛くなって…目を瞑ってたら…みんな急に帰ってた」

「ウチもスマホとかグミとか見てたら急に…まじみんな居なくて…」

「え?じゃあ…みんなあの時消えたってこと!?」

「てか廊下に居るーみたいなぎゃくにー!」


 みたいなぎゃくに…

 だったら走ったのは関係ない。

 2人で悪戯にひっかかっただけだ。


「んー…てかあの時から3人とも、なんとなく話が通じない系みたいなー」


 だったら走ったのは関係あるかも知れない。

 もしかしたら…

 本当に七不思議をやってしまったという事なのかも知れない。

 でも消えるっていう話だったけれど…

 誰も消えていないし…

 話を聞き間違えていたのだろうか…

 もしあの時…

 ワラレテナイワールドンのどこかに歪みが出来たとして…

 そこから自分達2人だけが歪みに迷い込んで、ワラレルワールドンに来て…


 あ…


 消えてる人いた…

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