前作の続き

夜の事情

 ⚠️ R-15? R-18? 少々喘ぎ声あり


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 夜の11時半頃。紺と翡翠は2人で楽しそうにゲームをしていた。恋人になる前からゲームをする時の距離感は近かったがより近くなり、ピッタリとくっつきながらしている。


「翡翠〜! 強すぎだろぉ。」


「ふふっ、紺くんはまだまだだね〜」


 翡翠の肩に寄りかかりながら文句を言う紺に対して、翡翠は煽るように返した。その態度に紺は少しイラッとしたのか別のゲームに素早く変えて、文句を言わせないようにゲームをスタートした。黙々とやる紺とは対照的に、翡翠は紺を怒らせてしまったことと急に始まったゲームに焦り、「え、あ……」と戸惑った声を出した。ゲームの終了音が鳴ると画面には紺のキャラの方にWINの文字が表示されていた。


「紺くーん……」


 眉を下げながら情けない声で名前を呼ぶ翡翠を見て、紺は嬉しそうにドヤ顔をして眺めていた。


「翡翠まだまだだね〜」


「もう、紺くん酷いよ。ちょっと煽ったからって。」


「んぁっ!な、にするんだよ……」


 仕返しされて不服そうにしていた翡翠はドヤる紺をギュッと抱きしめた。紺は自分からは近寄るくせに近寄られるのは恥ずかしいのか、突然のことに頬を赤らめた。そして追い討ちをかけるように翡翠は紺の頭を胸元に寄せて顔を乗せた。逃げられないように強く抱きしめられた紺は、翡翠の匂いや心臓の音を感じて硬直してしまった。


「顔を真っ赤にさせちゃって可愛いね、紺くん。」


 耳元で囁くともっと赤くなって、耳までも赤に染まる。紺は恥ずかしいのか小さな声でうるさいと言いながら、顔を隠すように俯いた。


 なんともあま〜い雰囲気が漂う。そんな時。


「あんっ♡ れん、くん♡」


 隣の部屋から微かに氷雨の甘い声が響いた。


「「 ………… 」」


 さっきまでの甘い空気は冷え切り、2人とも目を見開き固まった。


 紺と翡翠は煉と氷雨より早く付き合い、しかも両想いで付き合い始めたはずなのだがその後の発展は乏しく、今までより少し距離感が短くなった程度だった。また『恋愛のABC』のAすらもちゃんとした形ではやっていなかった。(翡翠は寝ていると思ってしたため。前作6話)


 逆に煉と氷雨は初めは両思いなのかあやふやだったはずだが距離は一気に近くなり、普段もラブラブ感を漂わせながらべったりとくっ付くようになった。そして『恋愛のABC』はとっくに終わっていた。


「ひ、翡翠……?」


 さっきの衝撃のせいか翡翠の拘束は緩くなり、動けるようになった紺はほんのりと頬を紅潮させ上目遣いで翡翠を見つめた。


「紺、くん……」


 2人の視線が交わる。お互いの瞳には期待感が映し出されていた。そして2人はゆっくりと顔を近づけ、触れるだけのキスをした。お互い離れる唇にもう一度触れたいという気持ちを持ちながらも我慢して目を開ける。小学生でも知っているただ触れるだけのキスでも初々しい2人にとっては特別なものであった。


 ほんの数秒が経ち、2人は一度経験してしまった幸福をもう一度感じようとゆっくりとキスをした。



 ────────────────────

 あとがき

 煉&氷雨は煉が猛獣みたいな感じなので結構積極的な感じです。対極的に翡翠&紺はお互いやりたいのですが言えない感じです。よく煽りあったりするのですがそっちには消極的で、相手がやりたいと思っているのか分からず不安で言えません。でも一度タガが外れれば積極的になると思います。この話も今度書いてみたいですね。あと煉&氷雨ペアも。


 最後まで読んでくださりありがとうございました。

 リクエスト募集しているので、書いてくださるとありがたいです。

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