第5話 読者を引き付ける

 なんかミステリーが読みたくなってね、2冊買ったのよ。一冊はここ数年名前をよく聴く評判のミステリー作家さん。もう一冊は前から好きな葉真中顕さん。

 で、名前を出してない作家さんの方から読んだんだけど、萎えたよ。激しく萎えたよ。なんで評判になってんだよって。ほのめかしが多すぎて、真相や結末が容易に予想できるし、主人公の行動もよくわからんし、なんだこの作家はって怒りすら感じて、読むのにすっごい時間がかかったよ。こんなもんがAmazonとかで高評価の嵐になるんだねえ。よくわからんわ。


 そして葉真中顕さんは「blue」ってのを読んだんだけど、これはもう素晴らしかった! 相変わらず読者をグングンと惹きつける筆力に唸った。約600ページで分厚いけど、そんな事を全く感じず、あっという間に読んでしまった。読者側に立つ能力に非常に長けてる作家さんだね。読者が感じるであろう退屈さを敏感に感じ取る事ができるから、それを原稿に反映させる事ができる。ますます好きになったわ。


 「アマチュアは好きに書くんじゃああ!好きを詰め込むんじゃああ!」で己の好きを詰め込んで、読者の気持ちを全く考えずに好きに書き散らかして「趣味で書いておりますのでPVや評価は気にしておりません」と言いながら宣伝や解説をしまくる「六地蔵リクオ」を私は小説で書いたけど、リクオもこんな書き方を少しは見習えばいいのにね。そしたら何十万字も書いてアクセス数が一桁が並び続けるような状態から多少は脱する事ができるだろうに。でもクソバカだからわかんないんだよね。

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