第48話 文章の削減法

 今回は牛河かさねさんからのネタ提供です👍

 公募で文字数を超えてしまった時に、どこから削れば良いか教えてほしい……というリクエストです。


 これは文章を書き慣れてきたら陥りやすいパターンかもしれませんね。

 書き始めた頃は、むしろ足りなくなることのほうが多いと思うんです。


 むー、でも改めて考えてみると……わたし、文字数で困った経験がなかったです。プロットの段階で長編ならおおよその文量が想像できますし、書きかたもそうなりにくい方法になっているんですよね。


 まずセリフを中心に書いて、それで一度完結まで書き切る。この時点で十五万文字の長編なら七万〜十万文字くらいになってるんです。

 そこに地の文を足して……という感じなので書きながら調節できるんです。


 とはいえ、これでは質問の答えになっていないので優先順位の話をしましょう。

 優先順位がはっきりしていれば書く段階からある程度の調節ができるはず。



 文章を削らなければならない場合、削るのは優先順位が低い部分からになると思います。


 まず一番最初に削りたいのは地の文ですね。

 これにはもちろん理由があります。

 地の文が多いと、テンポとスピード感は損なわれます。

 なぜなら地の文の多くは物語の進行を止めるからです。


 代表的なのは設定の説明と、心理描写や情景描写ですね。


① 説明の重複

 意外とやりがちなのが、これ。

 前半で説明しているのに、後半でも同じ、または似た説明をしているパターン。

 設定は先に出したほうが親切だし、有効です。

 しかし設定の説明は、ただ闇雲に先出しすればば良いというものではありません。

 設定によって適切な説明のタイミングがあります。


 伏線になりうる設定はできるだけ先に出して説明を済ませておくべきでしょう。回収地点と離れれば離れるほど読者に与える驚きが大きくなりますから。


 でも、そんなのは設定のごくごく一部ですよね。


 親切心からまだ物語に関係ないのに設定の説明をして、物語の進行によって必要な設定だからまた同じ説明をしてしまう。


 意外とやりがち(笑)


 これを回避するには、まず設定の名前だけ出して、そこでは説明しない。物語が進んでから改めて詳細な説明をする。と良いと思います。



② 過剰な設定

 これもやりがち。

 あまり物語と関係ないのに、世界観を深めようとして余計な設定を書いてしまう。

 

 例えば。

 人口は何人で、その地域の特産物は何で、隣の町までは何分……とか。

 まったく物語に関係ないのに、あそこにはあんなお店があって、こっちにはこういう施設が……とか。


 この類が全て無駄とは言いません。物語によっては必須の項目となり得ます。しかし、割となくても支障がなかったりもするんですよね、細い設定って。



③ 心理描写

 特に前半の心理描写。

 前半は何かと説明を入れなければならない。これは避けられません。

 それなのに、ことあるごとに心理描写も入れてしまう。


 前半は最低限の心理描写に留めた方が良いです。

 物語の進行が遅くなるから。

 ちなみに、前半に心理描写を入れるなと言っているのではありません。

 前半でも読者に感情移入させるためにも心理描写は必要です。

 だけど、前半は軽い心理描写で良いと思います。設定が多めの作品は特に。ファンタジーとかSFは。



④冗長な表現

 例えば。

 わたしは最近、寝ようとしてもあまり眠れないうえに、たとえ寝てもすぐに目が覚めてしまう。


 これを。

 わたしは最近、不眠症気味だ。


 にするだけでもさっぱりします。

 通常はセンテンスの短い文章を心がけ、ここぞという場面でのみセンテンスを長くするのはどうでしょう?


 メリハリを付ければ、ここぞという場面で文章に特別感を出せますし、読みやすくなると思います。

 


⑤ セリフ

 そのセリフが本当に必要か考えましょう。

 そのセリフがなんのためにあるのかわからないなら、そのセリフでキャラクターの魅力を出せないなら無駄なセリフです。


 なんとなく、そのシーンの量を増やしたいからと無駄な会話を入れたりするものです。



⑥ シーンを削る

 一気に文字数を削りたいならこれに勝る方法はないでしょう。


 もはや最終手段です。

 後半のエピソードは重要な話が集中しますから自然と前半から選ぶことになります。


 あるセリフを言わせたいためだけのシーンなら、どうにかしてそのセリフを他の話で言わせて、まるまる一つの話を削ってしまいましょう。




《物語りのリズムやテンポと文章量》

 

 今回は文章量の話なので、それに関連して持論を書かせてください。


 時々、常に同じ調子で物語を書かれている人がいます。

 常に繊細かつ丁寧な描写で、それはそれで素晴らしい能力です。


 しかし、物語は生き物みたいなものです。

 例えスローライフや日常モノでも、その中には緩急が存在します。

 アクションや冒険なら尚更です。


 それなのに常に同じリズム、同じテンポでは、せっかくの物語も死んでしまいます。


 わかりやすいのでコメディとシリアスで話しましょう。


 コメディシーンでクドクドと説明されては、せっかくの勢いあるシーンも台無しです。

 だからコメディはサクッと軽い地の文でスピード感やテンポを重視したほうが良いのです。


 逆にシリアスで心理描写や説明が不足してしまうと面白みが死にます。

 特に心理描写で臨場感を高め、せっかく読者を引き込める機会をみすみす逃してしまうのは、何のために小説を書いているのかというレベルでもったいない。



 どうでしょう?

 なんか、当たり障りのないことしか書いていないような気がします。あまり参考にならなかったかもしれません。


 これからもネタ提供は気軽にどうぞ♪

 作者は何が需要あるのかわかっていません💦


 今回はこのへんで🖐️

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