なにかと色々秘めた幼馴染が、幼稚園の先生になろうとしたけどピアノ弾けないから諦めてお見合いして子だくさんになるっていうから全力でとめてみた結果大富豪になっちゃった⁉︎

猫の集会

前髪の長い幼馴染

 いかがお過ごしでしょうか?

 あなたのお姿が見えなくなってからどれくらい経つことでしょう。連絡お待ちしております。

 

 …

 

 幼馴染からの連絡だ。

 …

 とても心配されている。

 

 …

 

 なわけがないっ‼︎

 

 

「おい…なんだよ。あの文章は」

「あー、暇だから送ったんだよ?りょう…なんで返事くれないの?」

 

 …

 

「あのさー、返事するわけねーじゃん。だってただトイレ行ってただけなんだからさ」

「あはは、そうね。」

 

 そんなふざけた幼馴染の瀬伶菜せれなは、とても美人だ。たぶん…学年で一番の美人だ。

 

 でも、それを知っているのは身内とオレくらいだ。

 

 学年で一番美人なのになぜみんな知らないのって?

 

 学校に行っていないから?

 いいえ、毎日行っております。

 なんなら毎年皆勤賞を獲得しておりますね。

 

 じゃあなんでさ?って…それは…かなーり長い前髪のせいだろう。

 

 前髪…じゃまじゃね?って学校で聞いたことがある。

 

 でも、ふるふると首を振られた。

 

 瀬伶菜は、学校ではほとんど人と話をしない。

 オレとも学校では、ほとんど話さないのだ。

 

 

 でも、家だと前髪全開でツルンツルンのオデコ全開なのだ。

 

 そして、普通に会話もする。

 

 たぶん学校の人が外で瀬伶菜にあったら別人と認識するだろう。

 

 そんな瀬伶菜は、前髪のせいで黒板がよく見えていない。

 

 目が悪くて見えないならまだしも…前髪のせいって…。

 

 先生に前髪切りなさいって言われているのを見たことがある。

 それじゃあ、黒板も見えないでしょう?って。

 

 でも、瀬伶菜はふるふると首を振っていた。

 

 そして…こぶしをギュッと握りしめていたのだ。

 

 そんな瀬伶菜を見かねてオレは毎日ノートを瀬伶菜に夕方かしてあげている。

 

 で、朝返してもらっている。

 おかげで毎日一緒に登校できる。

 

 ま、学校の近くにくると微妙な距離をとって離れていくのだが。

 

 

 そして、帰りは…別々だったのだが…なぜか秋から一緒になったのだ。

 

 なぜ⁇

 

 オレたちは、中学一年生なのだけれど十月くらいまでは、別だったんだよ?

 

 でも、いつの日か…学校から少し離れたところで瀬伶菜がオレを待っていてくれるようになったのだ。

 

 なんだぁ?オレと帰りたいのかぁ♡なんて思っていた。

 

 だから、ある日聞いてみた。

 

「瀬伶菜、オレとそんなに一緒に帰りたいんだね♡」

 と。

 

 すると、鋭い視線でオレをキッと見て

「は?ないよ」

 と言われてしまった。

 

 

 …

 

 そうか…。

 

 じゃあ…なぜ⁇

 

 まぁ、今度部屋で聞いてみよっと。

 

 今、聞いてみたらいいじゃないって思われるが、瀬伶菜はかなり警戒心が強く特に学校帰りは、誰に遭遇するかわからないから身を引き締めているということなので、落ち着いているときにでも真相を暴こうというわけなのだ。

 

 

 そして、ノートを渡して家に帰った。

 

 

 あ‼︎

 ノートを渡す時さ、もう一冊ノート渡そうかなっ!

 

 交換日記でもしようかな♡

 

 ってなわけで、オレは次の日の帰り道…そっと授業のノートと一緒に交換日記も渡したのでありました。

 

 

 続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る