詩集「禁忌ノ禁錮」(完)

不可世

第1話「黒染めに」

僕は絶望に飼われている

かませ犬で都合のいい存在

いつ死んだっていいと

むしろ死んでくれと歓迎される存在


禁忌だ僕はあまりにもおぞましい

死というスパイラルを

生というミスチェインを

ただ這い


邪険にされる

好かない残り火が

心を黒で染める


そうして雑然と広がる景色が

ただ死を警告するように見え

エラーで不出来で浮かない僕を

何度も襲う


この由々しき憐憫に

最悪のアンチクライムヒステリーを

ただ謁見し

神のシナリオさえ無視して

死のうとした


だがいざ握った拳銃が

こんなにも重くて

手が震えるほどに重いのだと

いいやそれは恐怖だと


そう怖くなって

ならば殺すのはどうかと

そうまた禁忌にふれ


僕はまた黒ずんでいった。

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