短歌の日常

柊ターニャ

プラネタリウム

恋愛をしたことのない奴が恋愛短歌なんて書けるのかと定期的に言われる。今までは口籠っていたけれど、これからははっきりと言おう、書けると。だって、僕たちは魔法なんて使えないけど、素晴らしいファンタジー小説に出会っているんだから。


死んでいる文字の羅列で溢れてた天の作者に書いた作文


千年に1度限りの星空をプラネタリウムで再びきみと


人生のほんの僅かな時だからこそ変われるんだよ人というもの


刑事もの事情聴取のその最中出てきたものがうどんだった日


人生はエッシャーの描くだまし絵か大人の階段登って降りて


何らかの境界線をまたにかけ世界をぜんぶ手にした気分


自販機で買ったブラックコーヒーに溶けてくぼくの初恋話

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