熊は熊だった

山から降りてきた熊が人間社会に溶け込み始めた。何故か歓迎ムードの人間に、熊に居場所を奪われてじわじわと追い詰められていく主人公。
二転三転するお話の中で「居場所を奪われる」ということの残酷さがじわりと滲んできました。本作には理想とは程遠い残酷さがありますが、その裏にある生々しい現実を覆い隠すようなとぼけたキャラクターがいい味を出していると思いました。とても面白い作品です。