編集済
隣人ふたりへの応援コメント
>「あぁ、もう眠くなっちゃったんですね。私はこの寒さでもちょっとだけは平気だから、気付きませんでした。
部屋は暖かいのでは?
もし薪が尽きたとかなら、その描写が欲しいところ。
さっきまで生きる為に手を尽くしていたのに、最後だからと強引に終末展開に持って行ってる感じがします。
>「あ―――私も、意識が、薄れて。やっと、一緒に、凍れ、」
あの外気の中でも平気だったのに、部屋の中で?
全体の感想:
二読した上での感想および批評となります。
まず、タイトルは抜群にいいですね。
調べたら、北欧神話の「終わりの冬」だとか。
字面がかっこいいですし、意味も作品にぴったりです。
内容的には設定や主張が甘く、全体的に没入できませんでした。
「謎の冬」については、現象そのもののツッコミはヤボだと思います。ですが、それを受ける主人公たちの心情や行動にリアリティがなく、ぼんやりしてしまっていると感じました。ファンタジーならいざ知らず、SFであればそこは突き詰めた方がよいのでは、と思います。
異常気象に取り残され、「お隣さん」同士が繋がるという物語のフレーム自体は評価します。ただ、おそらくそこを前提に出発している(集合住宅など)ので、話が進むにしたがって矛盾した描写が積み重なり、住宅環境の設定が不可解になっていきます。部屋に薪や暖炉があったり。
「昨日まで夏」「セミが鳴いていた」などの一話目の設定も、むしろ開拓SFとは逆の要素でマイナスになっています。というか、「お隣さん」の物語を優先するなら、現代日本の話にした方がすっきりとまとまったような気も。SFだと異常気象以前に、まず通常の気象はどうなのかの説明が必要ですから。
もしかすると、作者さんも当初は日本で話を考えていて、八月や蝉はその名残ではないか、と推測します。
二人が部屋に閉じ込められ、会話の後に終末を迎える、という展開は終末ものでは定番ですが、悪くないかと。
ただ、途中の感想に書いたように、双方の主張どちらにも私は共感できず、それ故に最後まで満足感は得られませんでした。
あの主張を成立させるなら、「中央が地方を開発せず、一方的に搾取した末に見捨てた」という内容にした方が説得力があったと思われます。
文章やキャラクターについては及第点。
文章は、状況描写の不足がたまにあるのが気になるくらいで、悪くはありません。誤字脱字が見つからなかった点も真摯で、評価します。
キャラクターの性格は、基本的には嫌いじゃないのですが、主張の甘さなどから輪郭がぼやけ、後半は思い入れしづらくなったのがマイナス点でした。
リーヴについては話を大きくせず、地に足の着いた主張(家族の悲劇とか)で十分だったかもしれません。
──以上、辛口寄りになってしまいましたが、正直感想です。
不愉快に思われましたら、削除していただいても構いません。
一読者の意見として、何かの参考にしていただければ幸甚です。
そうそう、youtubeには「-71℃!世界一寒い街 ヤクーツク」という動画があります。ガチの寒さの資料になるかもしれません。ご参考までに。
作者からの返信
ぐはっ……とても詳細な批評をありがとうございます。参考にさせて頂きます
黄昏への応援コメント
>「私は、この気持ちを―――何処どこに捨てればいいの?」
このくだりの中央大陸の歴史と、それに対するリーヴの感情については、まったく共感できません。
たとえば東京と地方、アメリカとメキシコなんかがこれに近い状況ですが、上京する地方の人は「東京が栄えてるのが悪い」とは言わないでしょう。上京せず、地元で生活することも選べるんですから。植民地のようにその地方から搾取したり、大国のために利用している(アフリカのように)なら、その言い分にも筋が通るんですが。
むしろ住民の移動を禁止し、豊かなエリアへの移住を禁じられる方が、よほど差別的で恨まれる理由になるのではないでしょうか。
国に愛着がある人間であれば、留まり続けれるのは自由なんですから。元々の過酷な環境やアクセスの悪さは、少なくとも中央が恨まれる筋合いではないので、お門違いだと思いました。
>ヤトのみんなの死に
えっ、死んだんですか? 何の理由で?
てっきり過疎化して滅んだんだと思っていましたが。
>その気になれば人の流出を防げたのに、何もしなかった。
むしろ流出を防ぐ方が恨まれそうですが。
>私にはあの時既に、北の大陸に対するある程度の権限があった。
イメージ的には平の会社員って感じでしたが、ここから察するに政府のかなり上級職のようです。
だとすると何故、壁の薄い集合住宅に住んでるのか、違和感を覚えます。
>生きていてよかった、と。
死んだ理由が不明なので、なんとも共感しがたいです。
狼の冬への応援コメント
>眼前にはどうやら煌々と燃える暖炉の光がある。
暖炉!?
薄壁の集合住宅に、暖炉があるんですか?
田舎の雪国とかならあるかもですが、夏は暑いんですよね?
想像してた世界が、この単語で崩壊した気がします。
>この少女がただの『お隣さん』でしかない私に対してどうしてここまで過剰な反応を見せるのか
まあ、これは過去のトラウマからかな、と読めます。
>髪と同じ紺のエプロンを着こなす姿は
このエプロンは、どこから出て来たんでしょう。
状況的に主人公の部屋に運び込んだのだと思ったんですが、もしかしてリーヴの部屋なんでしょうかここ。
それともやはり主人公の部屋で、エプロンは主人公の私物ですか?
>外の景色はもう雪に呑まれて昼夜を判別することはできない
家が雪に呑まれて、という意味でしょうか。
もしそうなら雪で屋根が落ちるのを心配するレベルですが、暖炉とかあるなら、そもそも雪国なんでしょうかね、ここ。
いや、冒頭で集合住宅って書いてありましたよね?
なんだか設定が無茶苦茶で、想像がまとまりません。
>凍傷や低体温症、おおよそ低温環境下で起こる症状を詰め合わせたかのような有様だ。
後半、この設定を完全に忘れていました。
主人公が何事もなかったようにしゃべり続けるので。
危機感を演出するなら、一瞬で体が凍えるほどの寒さや世界がどうなっているかの不安など、内面の恐怖をもっと増量すべきだと思います。あるいはそれを超えたところにある、奇妙な安堵とか。
剣の冬への応援コメント
>昨日までクーラーを点けないと生命の危機を感じる程の暑さだったのが、今や暖房が恋しくなる肌寒さになってしまった。
やっと温度の説明が出てきましたが、外界の変化を考えれば、これでも十分に異常なレベルです。冬の北海道で暖房なしに一晩過ごしたら、屋内でも眠れないレベルです。
ましてこの話では昨日まで真夏です。布団や衣服が夏向けであることを考えれば、状況がいかにも生ぬるく感じられます。少なくとも危機感には乏しいです。
>もし平日だったら無断で仕事を休むことになっていた。
社会人なら先に考えるのは、「会社(仕事)大丈夫かこれ」だと思います。
>下がり過ぎた気温が、ドアすら凍りつかせてしまったらしい。
ドアが凍り付いたら、ドアノブも回らなくなりません?
>大した水分もないのに動かせなくなる程の硬い氷とは、いよいよただの異常気象の域を外れてきたように感じる。
異常な現象に気付き始める展開はよいですが、水分があるかないかは外を確認しないとわからないと思います。雪が降ってるなら、それは十分に水分があると考えられますから。
>はいよ、と答えベッドから降りると、恐ろしいまでの冷気が肌を刺してくる。
この感覚は、目覚めた時点で感じるべきものです。
寒くて布団から出られないとか、よくあります。極寒ならそれどころじゃないはずです。
>これはもう冬着の出番だ。
いや、それよりまず暖房つけるでしょう。普通。
>右半身が冷たい。
想像はつきますが、「外に出た側」であることは併記する方が読みやすいかと。
>外に出た瞬間から記憶が途切れている。
ここは状況がよくわかりません。
一瞬記憶が飛んで、また戻ったんですかね?
記憶が飛んだ理由も、回復した理由も謎です。
>一拍遅れてばしゃ、と水音がしたと思ったら、彼女はもう私の部屋の中に体を滑り込ませていた。
この書き方だと、リーヴが部屋を出た後、主人公をスルーして主人公の部屋に入ったように読みとれます。まず先に主人公を助けたり、起こしたりする描写をすべきかと。
編集済
風の冬への応援コメント
旋律より。
二読の後、感想を書いていきます。
各話では、読んだ際に感じたこと、誤字脱字、引っ掛かった表現など。
最終話で全体の感想を総括します。
>年季が入って薄汚れた、集合住宅の壁を叩く音がした。
ここで完全に舞台が日本だと思ったんですが、全然違いました。
後に「丑三つ時」という言葉も出てきますが、ここも誤解を招きます。一人称でそんな言葉を使うのは日本人だけなので。まあ主人公は日本出身なのかもしれませんが。
この「丑三つ時」は、SFの雰囲気ともまるで真逆なので、二重の意味で描かれたいだろう世界観から逸脱して見えます。
>凍っていた。
一読目に感じた疑問は、「この部屋の温度はどうなってるの?」です。
外が凍り付く極寒世界なら、暖房のない部屋(クーラーすら入れてるかも)、隣の声が聞こえる安普請の集合住宅なんてひとたまりもないはずですが、そこは一切触れられないまま話が進んでいきます。
別に「部屋の中だけ寒くならない」設定の寒さ、ということでも、フィクションですしそれは構いません。
ただ、もしそうならその謎については触れておくべきですし、そうでないなら起きてすぐ「さむ!!」となるのが普通の人間の反応です。夏なんですから。
この小説から身に迫る危機感がほとんど伝わらないのは、こういったリアリティある説明の欠如が原因だと思います。
>まだしばらくクーラーは消せないな、って笑ってたのに
日本の八月なら理解できますが、ここは架空の惑星なり世界のようです。オーストラリアですら八月は真冬ですし、場所の説明がないまま、日本の常識で状況を説明するのは、自ら舞台を日本だと誤読させに行くようなものです。蝉の存在も日本ぽく感じます。
>再び眠りに落ちるまで、私はその笑みが頭から離れないままだった。
まさか、そのまま寝るとは。
普通は危機感覚えて、逆に眠れなくなったりしませんかね。
地震どころの騒ぎじゃないはずですが、これ。
隣人ふたりへの応援コメント
旋律より。
恨む人を求めたリーヴ。憎まれることを求めたスラシル。
でも恨めなかった。断罪は訪れなかった。
望むものは得られなかったのに、二人は満足そうですね。
人は滅びたのかもしれません。人はこれから繁栄するのかもしれません。
惑星の歴史。惑星史は二人を置いて進んでいきます。
でも、その長い物語の端っこに描かれた想いは、確かに私に届いたのです。
たった二人の輝きは、何よりも温かかったのです。
星の歴史が巡っても、二人が出会えますように。
ずっと隣にいたいから、お隣さんと呼んだのでしょうから。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
二人の結末に思いを馳せて頂けて何よりです。二人の世界の"その後"の話も構想中なので、良ければお楽しみに。
隣人ふたりへの応援コメント
自主企画テーマ『この子達に激励を』の主です。
参加第1号、有り難うございます。早速読ませて頂きました。
少し謎をちりばめてのストーリーなので読み違いをしていたらご指摘下さい。修正致します。
正義の心を持つスラシルの魂は自分の仕事の果報に対してずっと苛まれて居たのですね。
読み取る限り永眠となってしまったのでしょうか。
でもリーヴに対して鬱積していたものの心情吐露が出来て、暖かくもされて、そして赦されて……
その魂は浄化されたように見えます。
また、おやすみなさいを言えたリーヴはこの出会いにより、滅びの理由となった者達への恨みから解放されたように見えます。
そうだと良いなと考えざるを得ません……。
この結果こそがこの子達の求めていた幸せの形の一つだったら……この子達の得心のゆく人生を願うばかりです。
続編もお考えの様なのでこの先も見守れたらと思いました。
参加、有り難うございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
読んだ人に感じて欲しいな、と思っていた感想を懐いて頂けて何よりです!
あとがきへの応援コメント
コメント失礼します。
面白かったです。
何故?と思うことが沢山ありました。
真相が知りたいです!
作者からの返信
ありがとうございますm(_ _)m
どうか気長にお待ちください