第3話

 囲まれている。認知すると、覆ってくるタイプの化物らしい。


 わたしの恋人は外に投げて逃がした。彼が外にいれば、索敵と継戦でどうとでもなるだろう。


「さて」


 こちらは、内部から壊しにかかる準備。どうせすぐ、わたしの男から指示がくるはずだから。


「ん」


 きらきらした、何か。星でもネオンでもない。少し暗くなったこの街のなかで。


「ああ、これが」


 わたしの男が言っていた、綺麗なもの。


「おもしろいなこれ」


 何かを反射している。もしかしたらRCCかもしれない。普段RCCをほとんど視認できないわたしにも、何か綺麗なものが見える。人間の感情。RCC。これを、人ではないものは食う。だから、人間の感情を守るために、わたしたちは日々殺し合っている。


「あっ、いいこと思いついた」


 これ、持ち帰ったら。わたしの男よろこぶんじゃねぇか?

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