第3話 時の葦舟――フロイトエロ妄想てんこもり

「時の葦舟」荒巻義雄


荒巻義雄は「紺碧の艦隊」の作者として有名な人。


だけど、初期には幻想SFを書きまくっていたのだ。

「定本荒巻義雄メタSF全集」としてまとめられています。



「ある晴れた日のウイーンは森の中にたたずむ」(中編)も、

「白き日旅立てば不死」(長編)も、

「聖シュテファン寺院の鐘の音は」も、タイトルがすごくかっこいいですよね~。


もちろん、中身もかっこいいです。


特別な描写がなくても「このキャラはかっこいいに違いない! そして作者もきっとかっこいいんだろう!」と思わせるような文章です。



「時の葦舟」

トカゲを狩って立身出世!

いい女をゲットするのだ!


「神聖代」

まじめでウブな神聖職者がかわいい女の子二人とにゃんにゃんして童貞喪失する話。


……いや、ちがう、ちがうんです!

これはもっと壮大で崇高で哲学的な……。


でも荒巻義雄作品には、ときどきフロイトの妄想そのまんまみたいな、直球のエロが出てきますよね。



短編「大いなる正午」も好きです。

これは建築土木SF? とでもいえばいいのか……壮大すぎて何を書いてるのかわからない、でもそこがイイ! という作品です。

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