第40話 レール



「今 思い出した一連の流れはなんだ?」


どうやら彼女は、先ほど ふと 思い出した記憶を考察してみた。


アイスを我慢しながら。


「子供たち?パンケーキ?夫?研究?不審者?双子?」



アンタレスは血の匂いを考えて、ふと誰かを思い出したらしい。


「やっぱ妖退 しのぶしか思いつかない!

奴は確か、血液操作能力ウェブラデッドを持っていたはず。

私の知り合いで血の匂いが常にするのはしのぶしかいないぞ」


とうとう彼女は我慢できず、アイスを口の中に入れてしまった!



「美味しい」


パクパクパクパクパク


「(でもでも待て?そんな事よりも、私に研究者の夫なんていないぞ。

それでいて、不審者が彷徨くほど治安の悪い街にいた記憶もあまり無いしさ。

いや、不審者それは、私なのかな…悲しい。

でも、パンケーキは嫌に食べた事のある感じがしたんだ。

アントニオが作ったあのパンケーキ…なぜ?私はここに来てからパンケーキを食べていない!

つまりアントニオのパンケーキの味なんて知らない。


いや、ちょっと待て。パンケーキの差し入れとはなんだ?

私はパンケーキを食べていないし、差し入れなんてペットボトルすら無いぞ!

あと研究者の夫も気になる。

私の知っている研究者は、私を以前 監禁していた変態野郎レールと、アントニオたちの父親レールだけだ!

この2人のレールはなんなんだ?研究者の名前は皆んなレールなのか?さすがに無理ある。

この杖も、変態野郎レールの元から奪ってきたものだぞ!

そういや、変態野郎レールにも子供が2人いたと言っていたな。そして以前行った実験の事故で2人とも亡くしたと聞いた)」


アンタレスは呟く。





「(変態野郎レールとアントニオたちの父親レールは、同じ奴なのか?

名前が同じだけなら別人と捉えても良いが、割と同じような過去を2人とも持っている。

あ、アイスが当たりだ。もう1本食べよ。

で、父親レールの顔も私の知っている変態野郎レールにそっくりだった!だから既視感が湧いたんだ!

そして、私が奴から逃げた後 変態野郎レールは私を追いかけてくるだろうと思ってたのに、いつになっても来ない。

そして、アントニオが父親レールを殺害したとロッシュから聞いた。

なんなんだ、この時系列は…)」






そして、アンタレスはまた何か思いついたらしい。


「(ロッシュが失踪した母親を探しにきたと言っていたな!

んで、その母親は私が前からいた場所に逃げたと言っていたが、そこは私が拠点にしていた場所だぞ!!

だが私は拠点そこでそれらしき人物を見た事無いし、虫すらも目にした事が無い。

え、ロッシュとアントニオは嘘をついていたのか?

そういや、母親が2人の子供を産むと同時に亡くなったから、悲しんだレールが母親を転生させる事に成功したんだっけ。

しかし、前世の記憶を残っておらず、すぐに逃亡……行き着いた場所が私の拠点。

私も変態野郎レールから逃げるために、そこへ杖を奪って逃亡したな。












え、私とその母親も同じ人物なのか⁉︎⁉︎)」

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