第14話 鬼竜

「なぁテンション、今日仕事終わったらカラオケ行かね?」

↑楽


「良いねぇ!久しぶりに歌いたい」

↑テンション




「(早くしないと腹が減る)」

↑アントニオ



彼は後ろを向いて呑気に会話している楽の背中に、包丁を突き刺す!


ブシャァァァァァァァ


そして捻った!彼の心臓が包丁に刺さって出てくる。



「ふぎゃぁ⁉︎⁉︎」

「楽⁉︎⁉︎」


テンションがアントニオに向けて、掌からミサイルを発射した。


しかしアントニオの目の前で突然消える。



「(⁉︎…消えた⁉︎)」


「じゃあな!」


アントニオは楽の心臓を捨てると、今度は電子レンジを出した。


2人の分裂体は一瞬戸惑う。



「「(は?)」」


その電子レンジから電撃が広範囲に放たれ、2人の腕を電圧で潰した!

そしてテンションのミサイルが爆発する!



「あヤベ」「は⁉︎」

ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


ブシャァァァァァァァ



2人の心臓が吹っ飛ぶと、アントニオはそれらを全て回収した。


そしてそれらを地面に埋める。


「(こうすれば復活しないのかな。

よし、後はあの逃げたブチギレ野郎だけだ!)」








ロッシュも残った疲の分裂体と戦っている。


↓疲

「(くぅ、鬱と疑問と欲が…でもここで負けたらダメだ。

こいつのトラウマを見てみよう)」


彼はロッシュの目の前で、紐と鉄球を揺らした。

彼女は一瞬で眠りにつく。


疲は目の前で寝始めたロッシュを見ながら言った。



「この催眠術スリラプーネルでこいつの過去トラウマを見せて、精神を破壊させよう」













ブシャァァァァァァァ


アントニオが白衣を着た男を切り○す。

返り血が服についた。


研究室はボロボロ。

これは以前からそうであったが、血の海が目の前にあると、もっと汚く見える。


倒れた男の体をアントニオは蹴って呟いた。


「嘘つき」


ブシャァァァァァァァ
















「⁉︎…」


ロッシュは目を覚まし、疲の分裂体をぶん殴る!


「ゔぉ⁉︎…な、なぜ起きた⁉︎」

↑疲


「嘘なんか気にしてない」

↑ロッシュ


彼女は疲の顔を掴んで、地面に叩きつけた!

地面に疲がめり込む!生埋めにするつもりだ。


「くっ、学ばねぇな!俺の前に来たら催眠術にかかると思e」


ロッシュは彼の紐と鉄球を奪い、破壊する。


「え」

「嘘でも良い」



ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


疲の分裂体はコンクリートの中へ埋もれていった。




そこへちょうど、アントニオが現れる。


「姉ちゃん大丈夫?」


「うん………残ってるのは、あの激怒の分裂体だけでしょ?」

「うん」


「行くよ!」

「うん」




話題に出た激怒は、電柱の前で止まっていた。


「ここから向こうの電線は途切れてないな?

この電線に俺の伝言を流せば、妖退あいつに情報が行くかもしれない」



彼が錫杖を上に向けたその時!




ボキッ


「⁉︎」


錫杖の先が折れる!そして目の前にアントニオが現れた。


「○ねぇぇ!!」


彼が炎に包まれたフライパンを振るが、激怒は錫杖を再生して受け止める!


しかし今度は頭上から、ロッシュが稲妻を振り下ろしてきた!



「⁉︎」


激怒は周りに電気の膜を作り出し、2人の攻撃を防御する。

人類には到底出せない圧倒的な電圧で、2人を吹き飛ばした!


ズドォォォォォォォォォン



しかしアントニオが飛ばされる直前に、フライパンを咄嗟に投げたらしい。

地面に落ちたフライパンが巨大化し、辺り一面を炎の海にする。


激怒は電気の膜を消すと、フライパンから離れた。

そして静かに言う。



「泣いてないで、早く出てこい」

「⁉︎」「は⁉︎」



ドォォォォォォォン


激怒の発言と共に、太鼓の音が鳴り響いた。


「(え、何、新しい技?それとも新しい分裂体?

いや、こいつ以外は全員倒したはず……。



いや、あと1人いる!)」



ロッシュはアントニオに向けて怒鳴った。


「逃げろアントニオ!」


「ふぇ⁉︎」




ドォォォォォォォン



シュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル










ズバァァァァァァァァァァァァン




いつのまにかアントニオは、角が生えた蛇のように体の長く巨大な竜たちに、咥えられていた。


この竜たちは地面から生えているらしい。

アントニオを捕食しようと、群れを成して取り合っている。




激怒は新しく地面から生えてきた竜の頭に乗った。

そして、この竜たちを従えているに言う。



「妖退の元へ連れて行かせろ!」


「わかった……」


ドォォォォォォォン


太鼓の音と共に、激怒を乗せた竜が動き出す。

ロッシュはまだ倒壊していない家の屋根を見た。




すると、悲のお面を被った分裂体がいた。

手に棒を持ち、背中側に5個の太鼓が浮いている。


「(何あいつ……)」

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