第12話 分裂

アントニオは2人に向かって怒鳴った。


「誰だお前ら!!!」


「俺らか?俺らはなぁ」


激怒くんが静かに怒鳴る。



「アンタレス討伐組織アレースに所属している者だ。

アンタレスという有名な犯罪者がこの地域に潜伏しているようでな、スパイを潜入させていたが、消息を断った。

お前から、そのスパイと彼の師匠と同じ魔力を感じる。

だから追跡させてもらった。そして……」



「ほう、あの鋭糸だっけ?あいつか」

↑アントニオ


「お前、鋭糸という者を知っているだろ?どこへやった?」

↑激怒くん


「○したよ。雑魚だったからな」


「やはりな…宣戦布告として受け取ろう。

電撃操作能力アングヒューリ



激怒くんの手から錫杖が生えてきて、電撃を放った!


バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッッッッッッッッッッッ!!



雷が地面や電柱を切り裂き、アントニオを感電させる。


「ぐわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ⁉︎⁉︎

……いや、俺には電気耐性があるもんね!」


「は?」



ブシャァァァァァァァ


激怒くんの頭が飛んだ!アントニオに切られたらしい。


「ぐふぉ⁉︎…ふっ、こんくらい再生可能」



激怒の頭の部分が変化し、鬱の面を被った分裂体になった。

激怒の元の体からは、やはり激怒の頭が再生する。



「おお、鬱く〜〜ん」

↑テンションくん


「ちぇ、寝たいのに」

↑鬱くん


「敵を倒してから寝ろ」

↑激怒くん



「へぇ、心臓を破壊すると分裂するんだ?

まぁ俺に勝てるわけねーがな」

↑アントニオ


「睡眠時間を邪魔した奴はどんな者であろうと○す」



鬱くんは、ブーメランを高速で投げた!!


ブシャァァァァァァァ


「(⁉︎…はっっや!)」


アントニオの右側の胸が貫かれる!

彼が反応できないほどのスピードと破壊力だ。


鬱くんはターンしてきたブーメランをキャッチし、激怒たちに言う。



「こいつ、どうする?」

「さぁ?」


「一応、本部へ連絡しておく。アンタレスについて何か知っていそうだからな。

だってあの顔を見ろ」

↑激怒



彼はアンタレスの事を聞かれて、懸命に顔を動かさぬよう、顰めているアントニオを指差した。


「「え」」


「あの顔は何か隠している時の顔だろう。な?お前ら」


「「うん多分そうだね()」」

「だろ?」



「あ、アンタレスなんて、知らないよォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」



ブシャァァァァァァァ



分裂体3人組が血飛沫を上げて吹っ飛ぶ!

もちろん吹っ飛んだ肉片からは、また分裂体が生まれようとしていた。


「あーもう、いつまで湧いてくんだ こいつら!」


「「「(学ばないな、この子供)」」」




次々と生まれた6体の分裂体たちに、アントニオは囲まれてしまった!


「疲れた…早く帰りたい」

↑疲


「なんであなたは私に攻撃するんですか!」

↑疑問


「へへ、テンション。あのガキ、バカすぎない?ww」

↑楽


「そう?俺は結構好き。テンション上がるからねー!」




「おい、お前ら。早くこいつを痛めつけて、情報を得るぞ」


激怒が錫杖を上げて、皆んなを鼓舞した。

アントニオが嘲笑う。


「俺に勝てるとでも思ってんの?言っとくけど俺、強いよ?」


「私たちよりもですか?」

↑疑問




「お前らの上司よりも」

↑アントニオ

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